第134話 小5!?
「岡島! ちょっといいか」
「どうした御門。そんな真剣な顔して。ダンジョンで何かあったのか?」
「いや、ダンジョンじゃない」
「ダンジョンじゃない? それじゃあもしかして痴情のもつれか!?」
「おい、岡島本気で殴っていいか?」
「いや割と本気だったんだけど」
「スキル手伝ってやったよな」
「御門くん、感謝してます。ところでどうした?」
思いがけず三上さんとデートする事になったけど、俺にはそんな経験がない。
向日葵と出かけたりはするけど、デートとは全く異なる。
三上さんがリードしてくれるような事は言ってたけど、男としてはそれでよしとはいかない。
いつものセイバースレにも書き込んでみたけど、総攻撃を受けてしまったのであそこは無理だ。仕方なくネット検索を重ねてみたらとんでもない量の情報がヒットした。
どれも良さそうな事は書いているけど、それはあくまでもネットの話で現実味が薄い。
やはりリアルの人に尋ねるのが1番だ。
ただ、周囲に適当な人物がいない。
参考になるかどうかはわからないけどとりあえず岡島に聞いてみる事にしたけど、ふざけてるのかバカな事を言ってきた。
「岡島、真面目な話だ。デートした事あるか?」
「デート? まあ、ない事はないけど」
「ない事はないって事はあるのか!?」
「まあ、あるけど」
「教えてくれ。デートってどうするのが正解なんだ?」
「いや、デートに正解なんかないだろ」
「そうかもしれないけど、岡島はどんなとこに行ったんだ?」
「俺? 俺は児童館とか街をウロウロしたりとかかな」
え? 児童館? デートで児童館?
「岡島、デートしたのはいつだ?」
「小5の時だけど、それがどうかしたか?」
「小5!?」
嘘だろ。小5でデート!? そんな事あるのか?
「岡島、もう一度聞くけど小5でデートしたのか?」
「そうだけど」
「デートしたって事は小5でそういう相手がいたって事だよな」
「ひとりでデートはできないからな」
「ちなみに相手は?」
「ん? 幼馴染だけど」
「幼馴染……」
「まあ、小6の時に別れたけどな」
「…………」
小6で別れた!? って事は付き合ってたのか!
もしかして俺は大変な思い違いをしていたのかもしれない。
岡島ってすごいやつだったのか!?
小5の俺は……。
小5で幼馴染と付き合うって考えられない。
だけど、よくよく考えたら小5のデートプランが参考になるはずもない。
三上さんと二人で児童館とか、どう考えてもない。
岡島がすごいやつなのはわかったけど俺の問題は全く解決していない。
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