第131話 引き寄せ体質?
戦いが、思いの他あっさり終わった印象だ。
いや、あっさり終わるのはいい事だ。
それは間違いない。
今回の戦闘で誰もダメージを受けてないし第三層で六匹ものモンスターを倒せたのだから。
だけど、今までのモンスターとの戦闘が命懸け。かなりギリギリの戦いを繰り返していたせいで感覚が麻痺してしまったかもしれない。
あっけなかった。
前回この3層で戦った、あのミノタウロスとは比べるべくもない。
この前戦った、イレギュラーなスケルトン達と比べてもそこまでじゃなかった。
なんだ? この違和感。
もしかして、あれがイレギュラー過ぎたのか?
「お兄ちゃん、あれ」
「ああ、魔石か」
向日葵が指差す先には魔石が2個落ちている。
大きさは第二層のモンスターのものよりも少し大きい気がするので僅か二個だけどそれなりの金額で買い取ってもらえる気がする。
やっぱり可能なら3層で活動した方がいいよな。
「御門、このあとはどうするの?」
「そうだよな」
様子見の為に踏み入れた第三層だけど、正直一回の戦闘で終わるつもりだった。
だけど、あっさり終わってしまったし一回だけじゃ、これがアベレージなのか判断つかない。
「せっかくだし、もうちょっと周ってもいいんじゃない?」
「そうだな」
「みんなダメージもないし、スキルもまだ使えるし」
「じゃあ、もう一回だけ。みんなもそれでいいか?」
「はい」
「いいと思う」
「お任せします」
みんなの同意を得て、もう少しこの3層の探索を続けることにする。
「もしかしてこの前はイレギュラーだったりした?」
「その可能性はあると思う」
「そうだよね〜。それにしても私達ってイレギュラーが多くない?」
「そうかもな」
「もしかして、私達の中の誰かが引き寄せ体質だったりする?」
「英美里、そういうのは良くないと思うよ」
「だけど、この前のスケルトンもあったし〜」
「それは、そうだけど」
三上さん、引き寄せ体質ってなに?
そんなワード初めて聞いたかも。
雨男、晴れ女みたいな感じか?
「ある意味引き寄せ体質って主人公体質じゃない?」
「英美里さんの、それってどういう意味ですか?」
「だって思わない? 何も起こらないとお話しって終わっちゃうでしょ。だから主人公って絶対引き寄せ体質だと思うんだよね〜」
「なるほど〜。確かに」
「物事の真理をついてるかもしれませんね」
三上さんの謎理論にみんな同調しちゃってるけど、俺的にはそんな厄介な体質絶対に嫌だ。
まあ、そもそも俺は主人公って柄じゃないし、三上さんの理論でいうなら俺は違うな。
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