第129話 3階層?

ここのところ第3層へ踏み込む事に躊躇して第2層でモンスターを倒しながら周回している。

おかげで野本さんのレベルが1上がったけど、他のメンバーは変わらずだ。

多分時間をかければレベルアップも可能だとは思うけど、効率が下がっているのは間違いない。


「みんなどう思う?」

「3層に降りた方がいいとは思うけど」

「ミノタウロス出たりしないよね」

「多分あれはイレギュラーだと思う」

「怖さはありますけど、2層は十分いけると思うのでそろそろじゃないかと」


おそらくみんなが感じているのはほぼ同じだと思う。

前回の事が恐怖体験として刻まれていて行かなくて済むなら行きたくはない。

そう何度もミノタウロスを相手にして無事で済むとも思えない。


「この前は、モンスターが出なかったから奥に行き過ぎた。だから当分は階段の近くだけ探索してみようか」

「それでモンスターが出なかったらどうするの?」

「いや、それは……」

「まあ、あれがイレギュラーだとしたら、普通にモンスターが出る可能性の方が高いんじゃない?」

「そうですね。英美里さんの言う通りです。わたしは賛成」

「それじゃあわたしも」


それでもモンスターは待ってくれはしない。

先に進む以外に選択肢がないのもみんなわかっているので、そんなやり取りがあって2度目の3層へと挑む事となった。


「それじゃあ俺から降りるから、みんなついてきてよ」


ふ〜。

2度目の3層への階段をゆっくりと降りていく。

心臓の鼓動が速くなるがわかる。

身体から変な汗が出てくるのも感じる。

みんな無言で進んで行く。

階段でモンスターが出現した事は無いし、安全地帯とも言える場所を移動しているだけなのに息苦しい。


「着いたな」」

「うん、着いたね」


当然と言えば当然だけど、階段を降りると3層が現れた。

周囲にモンスターの気配は無さそうだ。


「お兄ちゃんどうするの? ここで待つ?」

「いや、さすがにそれは効率が悪すぎる。少し歩いて探索してみよう」


怖いけど3層のモンスターを倒さないとレベルアップも望め無いので、探索しながらモンスターを探す必要がある。


「御門、あれから何回かURガチャ引いたんだよね。飯綱ちゃんとかは?」

「ごめん、出てない」

「そうか〜。もし出たら全力で逃げるしか無いか〜」

「大丈夫。意地でも俺がみんなが逃げる時間は稼ぐから」

「御門、ちょっとカッコいいかも。でも、これって逃げる算段なんだよね〜」

「はは……。まあ、そうならない事を祈ってるよ」

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