第127話隠された真実

「そうなんだ。だから2人にも試して欲しいんだ」

「向日葵ちゃんは大丈夫だったんだよね」

「ああ、特に何の効果も無かったみたいだ」

「それじゃあ、私から」


向日葵と俺だけじゃ、よくわからなかったので三上さん達にも試してもらう。


「御門、これダメ。呪われてるんじゃない?」

「呪われてる? そんなはずはないと思うけど」

「だってマイナスが出てる。VITが×0.9ってマイナスじゃない。やっぱり呪われてるんじゃない?」


×0.9!? そんなバカな! それって本当にマイナス効果じゃないか。


「舞歌も試してみなよ」

「うん」


こんどは神楽坂さんに試してもらうことにする。


「御門くん×0.8って出てるよ。本当に呪いのアイテムみたい。使うのはやめた方がいいと思う」


え!? 神楽坂さんは×0.8? そんなマイナス効果? それって冗談抜きで呪いのアイテムじゃないか。

2人にとっては完全に呪いのアイテムと化した愚者の衣だけど、念のためにもう一度俺が身に付けてステータスを確認してみる。


「やっぱり×1.5だ」

「もしかして人によって適正とかあるのかもね」

「そうなのかな」


女の子3人と俺の適性の違い。

もしかして!


「岡島、これ身に付けてみてくれよ」

「ああ、あのドロップアイテムか。なんか楽しみだな」


今度は岡島に身に付けてもらう事にする。


「おおっ!」

「どうだ?」

「VITが×1.2になってる。これって本当にマジックアイテムじゃないか」

「やっぱりか」


俺の思った通りだ。

やっぱりステータスが発現したばかりのレベル1である岡島にもちゃんと効果があったようだ。

レベルの問題じゃない。

俺と岡島、残りの3人との違い。それは性別。

この愚者の衣は男性のみにプラス効果が発生する特殊なアイテムだったようだ。

俺と岡島に効果が現れたのがその証拠だろう。


「わかった。これは男性専用装備だったみたいだ」


だけど、岡島も含め数値に差異があるのは理由がわからない。もしかしたら年齢とか生まれる月かもしれない。

いずれにしても俺が身に付けるのが1番効果を発揮するようなので俺が身に付けるのがいいな。


「ねえ舞香、もしかしてあの愚者の衣って」

「うん、絶対とは言えないけど性別は……。装備はわたしも出来たから。岡島くんはまだレベル1だからかも。でも御門くんの良さはそこじゃないから」

「そうよね。御門にそこは望んでないもんね」

「うん、御門くんはもっと他にいっぱい良いところがあるから」

「本人はわかって無さそうだし、このことは黙っておいた方がいいわね」

「うん、きっとショックを受けると思うから」

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