第124話低級ポーション考察1

昨日はテンションが上がりすぎて掲示板で大事なことを聞きそびれてしまったので今日は組合事務所までやってきた。


「すいません、相談というか聞きたいことがあってきたんですけど」

「セイバーの方ですか?」

「はいそうです」

「それではセイバーカードを確認させてください」

「はい、お願いします」

「能瀬御門さんですね。はい、確認が取れました。相談内容を聞いても?」

「はい、2つほどあるんですけど、まずは低級ポーションについてなんです」


俺は、あのポーション(低級)を使用した時の異常な発熱とステータスアップが気になり聞いて見ることにした。


「まず、低級ポーション自体が希少なためそれほど詳しい報告を受けているわけではありませんが、使用した場合、ある程度時間はかかるようですが、骨折、切り傷等であれば治るようです」

「そうなんですね」

「ただ低級ですと怪我の度合いにもよりますが数時間かかる事もあるようです」

「そんなにかかるんですか?」

「はい、それでも数時間のうちに骨折等が治るとは破格の効果ですから」

「使用感とかはどうなんですか?」

「使用感ですか? そうですね、それほど特別な事はないようです、あえてあげるなら再生を促進するからか多少体温が上がり汗が出やすくなったりはあるようです」

「多少ですか」

「はい、それほど気にはならないようですね」


係りの人の話を信じるなら、低級ポーションを飲むと数時間で骨折が治り、そのかわり少し体温が上がり汗をかきやすくなるらしい。

これは明らかに違う。

俺が体感した効果と明らかに異なる。

あの時おそらくは胸の骨を骨折していたけど、戦闘中、時間でいうと10分に満たない間にある程度治癒した。


「ステータスが上昇したりというのはありますか?」

「新陳代謝というか細胞の再生速度が上がるようなので、僅かばかり身体が軽くなったような感覚を覚える方はいるようです」


僅かばかり。

これも明らかに異なる。

身体が燃えるように熱くなり大量の発汗。そして状況を覆すほどのステータスの上昇。

このどれもが当てはまらない。

いや、正確には似た兆候は現れるみたいだけど、その度合いが全く違っている。

どういう事だ?


「中級ポーションとかならもっと効果が高いんですか?」

「それこそレアアイテムですから、高いと思われますが、そこまで詳しい報告はないですね」

「そうなんですか」


てっきり低級ポーションにあの効果が内包されているんだとばかり思い込んでいたけど、違うらしい。

明らかに低級ポーションの効果を逸脱している。

もっと上位のポーション。

俺が違ったのは……。

神楽坂さん。

あの時神楽坂さんが『ヒーリング』をかけてくれていた。

もしかして低級ポーションと『ヒーリング』の重ねがけ。

その効果なのか?


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モブから始まる探索英雄譚7が今月末9/29に発売です。

Amazon、bookwalkerは電子予約始まりました。

よろしくお願いします。


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