第113話 半骨半肉
そして骨が砕ける感覚が伝わってくるが、痛みを感じないモンスターはそれでも前へと歩を進めてきた。
「この化け物が〜!!」
再び破岩をフルスイングして、モンスターの腕ごと頭を刈り取った。
「はぁはぁ」
この破岩確かに目の前のモンスターには有効だ。
だけど全身を使いフルスイングすることが思いの外体力を必要とする。
たった一匹を相手にしただけなのに、息が苦しい。
そして俺が手間取っている間に当然のように次のモンスターが現れ、破岩を構えなおす。
その場でモンスターを待ち受けるが、後方から矢が飛んできてモンスターの頭部を貫く。
「御門くん、今だよ!」
神楽坂さんの援護を受けてモンスターを倒しにかかるが、頭部へと矢をくらったモンスターの動きが鈍る様子はない。
「うおおおおお〜!」
確実にしとめるにはこれしかない。
再び破岩をモンスターの頭部に向けてフルスイングする。
モンスターの腕も一緒に頭部を力任せに刈り取る。
「フゥ〜」
今度は一撃でしとめたおかげで、まだ次のモンスタは産み出されていない。
もう、ここしかない。
重量のある破岩をその場へと手放し、全速力で奥に控えるモンスターへと距離を詰める。
スケルトンも、グールっぽいモンスターも頭部に矢をくらっても死ななかった。
おそらく、あの布を被ったモンスターも同様である可能性が高い。
少し前に封印したばかりだけど、ここでこそ使うべきだろう。
試してはないけど、死霊系のモンスターであれば炎は弱点のはずだ。
走りながらスマホに表示される『ファイアブランド』をタップする。
ダンジョンで無闇やたらと使えば自滅しかねない炎の剣を右手で掴み、更に加速してモンスターへと斬りかかる。
「これで終わってくれ!」
モンスターが俺の一撃を避けるが、剣に纏った炎が布へと引火し一気に燃え上がる。
やったか?
炎から距離を取り、燃え上がる様を観察していると、徐々に炎は弱まってきてモンスターの姿があらわになった。
その姿は異様。
身体の半分は骨が剥き出しとなっており、残りの半分はゾンビの様な姿をしている。
ゾンビとスケルトンを足して2で割ったような姿をしているが、どちらとも異なっていて当然だが見たことのないモンスターだ。
炎に炙られて少し爛れた箇所は確認できるが、大きなダメージを受けた様子はない。
「御門くん、うしろ!」
神楽坂さんの声に振り向くとグールが俺の背に迫っているのが見え、慌ててファイブランドを振る。
「ジュウッ」と腐肉が焼ける匂いと煙が上がるが、構わずそのまま焼き切る。
そしてそのまま反転して、半骨半肉のモンスターへと斬りかかる。
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