第110話岡島の適性

岡島の放った矢により眼前の鎧を纏ったスケルトンの動きが止まった。

岡島の声に反応して俺は間髪を入れず速攻で影光を矢の刺さったスケルトンの頭部へとたたきこんだ。

完全に頭蓋の割れたスケルトンはその場から消滅した。

今のは完全に岡島に助けられたな。

それにステータスが発現したわけでもないのに動いている敵にボウガンの矢を命中させるとは中々やるな。


「岡島助かったよ。ありがとうな」


岡島の方を向き御礼を言う。


「御門、こっちを見るな。目を離すなって。次が来るぞ!」


まじか。鎧のスケルトンを上手く倒せたと思ったけど、こいつも次から次へと湧くのか。

一匹倒すのにも手間取ってしまったのに厄介極まりない。

すぐに次の個体と交戦に入るが、先程の個体同様、当然のように全身鎧に身を包んでいるのでサクッと倒すなんて事は叶わない。

やはり、狙うは頭部しかないが手に持つ大型の盾を掻い潜り頭部への一撃を叩き込むのは至難の技だ。


「御門はとどめを! 『シュッ』」


また岡島か。

岡島の放った矢が先程と同じようにスケルトンの頭蓋のど真ん中へと突き立った。

すぐさま俺も影光を振るう。

もしかして岡島ってボウガンの適正があるのか?

ステータス無しでこれだけできるならステータスが発現さえすれば。

そんな事を思ったりしたけど、鎧のやつは遠慮なくドンドン産まれ出してくる。


「御門、これって完全にヤバいんじゃない? 普通に最初のスケルトンより強いし状況悪化してない?」


三上さんに言われなくてもわかってる。確実にさっきより状況は悪化して、引くに引けない状態に陥っている。

さっきまでより一匹倒すのに時間がかかるせいで、逃げるタイミングがない。

それでも、岡島のフォローもありなんとかその場を凌いではいるが、この場を打開する策がない。

このままだとこっちの体力が先に尽きてしまう。


「御門、奥のやつが怪しい。あいつだけスケルトンとは違う動きをしてる。あいつを倒せば何か起こるんじゃないか?」


奥の奴ってさっき言ってたゴブリンとも違うモンスターのことか。


「御門、岡島っちと私で一匹倒すからその間にあいつの所へ行って!」

「わかった」

「御門くん、私もフォローするから」


俺は目の前に迫る鎧のを倒し、次のスケルトンを三上さん達にまかせて脇を抜け奥のモンスターへと走る。

確かに奥に一匹いる。

少し暗いので見辛いが、大きさは、ゴブリンよりもスケルトンに近い。

ただ、服なのか布らしきものを纏っているようで、その姿形ははっきりとはわからない。


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次回は水曜日になるかもしれませんがよろしくお願いします。

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