第108話 魔法陣
ステータスによって引き上げられた体力によりどうにか捌いてはいるが、あの魔法陣をどうにかするしかない。
「みんな、突っ込むから」
無策といえばそうだけど、この展開のない状況では俺がどうにかやってみるしかない。
影光を振るい、スケルトンへと特攻をかけ、斬り倒しながら魔法陣へと距離を詰めていく。
今更ながら、これだけの数を相手にするなら武器だけじゃなく防具も欲しい。
以前、魔防の指輪(弱)というのが一度だけでたけど後は籠手とか使い辛いのが出た事あるだけで、実用に耐えられそうなのは出たことがない。
それに、最近行ってみたセイバー向けのショップでも大きな盾は売っているのを見た。
防刃ベストなるものも売っていたのであれを買っておけばよかったか?
十分に買うことができる価格だったので一応試着はさせてもらった。
防刃というだけあってそれなりの重量を感じたが、重さよりも気になったのは着膨れしたような感じになり、動き辛さを感じた事だ。
あれは胴体は護れるけど、それ以外の箇所には効果ないので動きを妨げる事を考えると購入に躊躇してしまった。
スピード重視の俺のとってメリットとデメリットの評価が難しかった。
とにかく、スピードでスケルトンを上回り死角からの攻撃を避けることに集中しながら斬りつける。
本気で集中すればどうにかなるもので、俺の特攻はスケルトンが湧く速度を上回り、徐々に魔法陣へと近づくことに成功し、あと少しで届く位置まできた。
目の前のスケルトンを斬り倒し、蒼白く光る魔法陣の外側へと足を伸ばし恐る恐る踏んで見るが、特に何も感じない。
「御門、大丈夫なの?」
「ああ、なんともない。熱くもないし痛くもない」
魔法陣はただ光っているだけで異物感はゼロだ。
ただ俺が足を踏み入れたというのに、変わらずスケルトンは湧いてきた。
急いで靴の裏を使い魔法陣を消そうと擦ってみるが、その構造に影響を与えた様子はない。
スケルトンの相手をしながら、魔法陣をどうにかしようとやってみているが、効果は無さそうだ。
「御門、私がやってみる。『アイスフィスト』」
三上さんの放った氷の槍が魔法陣の一端を捉えて、床ごと抉る。
どうだ?
三上さんの一撃は明らかに俺がやったよりも有効に思えたけど、魔法陣は地面に描かれているのとは違うのか、抉れた箇所の上から変わらず光っている。
「なにこれ。光でできてるの? もしかして壊せない感じ?」
もしかしてもっと強力な一撃なら、影響を及ぼすことができるのかもしれないが、さっきの一撃で効果がないなら俺たちの攻撃では破壊する事は、ほぼ不可能ということだ。
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