第107話 元凶?

違和感を理由に、この場を切り上げるわけにはいかないのでそのまま進むことにする。

なんとなく、進むほどにスケルトンとのエンカウント率が上がってきているような気もするけど理由は全くわからない。

最初はあれほど手こずっていた岡島だが、何度かの戦闘を経て岡島のスケルトン処理は格段に精度が上がり、俺たちが動きを止めたスケルトンの首をサラッと落とせるようになってきた。

その手際の良さに三上さんも感心している。


「岡島っち、スケルトン適正あるんじゃない? 手際良すぎ〜」

「いえ、そんな適正は無いと思います.包丁使い慣れてるだけです」


二人の噛み合ってるんだか噛み合って無いんだか良くわからない、やりとりがダンジョンで張り詰めた空気を弛緩させる。

それにしてもこんなに手慣れてきているのに岡島にステータスが発現する気配がしない。

スケルトン適正がありそうなのに、スケルトンじゃ無理なのか。

ゴブリンも試してみたいが、スケルトンしかいない。


「御門くん、あれ」

「あれって……」


神楽坂さんの指差す先では俺の想像を超えた異様な光景が広がっていた。

ダンジョンの地面には漫画とかアニメに出てくるような蒼白い魔法陣が浮かび上がっていて、そこからはなんとスケルトンが現れた。

いや、ちょっと待ってくれ。

スケルトンって魔法陣から生まれるのか?

確かに、モンスターがどこから現れているのか詳しくはわかっていないが、そんなファンタジーな感じなのか?


「御門、スケルトンが多いと思ったらここから生まれてたのね。だけど今までこんなの見たことないけどなんなのこれ」

「魔法?」

「御門、魔法って、いったい誰の魔法なのよ」


誰の魔法?

ちょっと待て。

あれが魔法だとすれば、三上さんの言う通り誰かあの魔法を使っている奴がいるのか?

もしかしてダンジョンが魔法を使ってる?

いやそれはないか。

じゃあ誰の魔法なんだ。

いずれにしても、魔法陣からは次々とスケルトンが生まれ出ている。

このままにしておく事はできない。


「このままはまずい気がするし、とりあえずスケルトンを倒そう」


影光を構え、スケルトンへと挑む。

魔法陣から現れたスケルトンは、先程まで戦ってきたスケルトンと全く変わりない。

スケルトンの区別なんかつかないけど、やはり今日のスケルトン祭りのスケルトンはこいつららしい。

ステータスに差があるので、1匹ずつなら問題ないが、倒した側から次のスケルトンが生まれ出てくる。

まさかとは思うけど、この魔法陣から無限に出現するなんて事はないよな。


「御門、こいつらきりなくない? こんなの続けてたら、こっちの体力が先になくなるって」


三上さんの言う通りだ。

このまま戦い続ければいずれこちらの体力は尽きてしまう。

あの魔法陣を壊せばいいのか?

だけど、どうやって?

俺の手元にはスコップもハンマーも無い。

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