第104話 ハロウィンはまだ
ファイアブランドはストレージに戻し、今はRガチャで出た影光という刀に持ち替えた。
この影光という刀も特殊能力を備えているが、余り際立ったものではなく刀身が黒く染まりダンジョンなどの仄暗いところだと、認識され辛くなるというものだ。
「御門、あんまり聞いちゃダメなのかもしれないけどどうしても気になって」
「なんだ?」
「御門、武器いったいどれだけ持ってるんだ? 俺に貸してくれたこれもそうだし」
「あ〜今はちょっと減って15くらいかな」
「15!? そんなにあるのか。やっぱりダンジョン探索するにはそれだけ必要ってことか」
「いや、そうじゃなくて俺の場合捨てられなくてというか勿体無い精神?」
「よくわからんが、まだまだ武器はあるって事はわかった」
まあ、岡島なら俺のスキル『ガチャ』について教えてもいい気もするけどいちおうは内緒にしておく。
岡島の緊張もだいぶんほぐれたのか、学校での事を話題にしながらダンジョンを進んでいく。
「あ〜岡島すまん。いつもならこうじゃないんだ。一階層はゴブリンの巣窟と言っても過言じゃないんだけど、今日に限って」
「あ、ああ.別に俺はそこまで急いでるわけじゃないから。なあ、なんとなくだけどゴブリンよりこっちの方が撃つの気が楽な気がするし撃ってみてもいいか?」
「正直、おすすめはしないけど、弱ったやつ狙ってみてくれ」
「どこが狙い目だ? やっぱり頭か?」
「そうだな。そこくらいしかないな」
なぜか現れたのはまたスケルトンだ。
今日ってなんかの日か?
ハロウィンはまだだぞ?
とにかく岡島の為にも1匹はなんとかしたい。
最初の1匹の腕の骨を斬り落とし、念のために足の骨も斬る。
ファイアブランドのようにサクッとは斬れないが十分いける。
手足を失ったスケルトンが地を這いながら迫ってくる。
「岡島! 今だ!」
「お、おう」
岡島が後方からウィングショットを構え矢を放つ。
俺は次のスケルトンへと向かう。
「あ、あれ?」
「岡島くん、焦らなくても大丈夫だから。いざとなったら私もいるから」
「か、神楽坂さん……」
岡島の一射目は外れてしまったようだが、初めてモンスターを射ったのだから無理もない。
「やあああ〜!」
影光を振るい目の前のスケルトンの頭蓋を割る。
正直スケルトンって目が無いし、この影光の特殊効果が意味をなしているのか実感は無い。
「よく狙ってね」
「は、はい」
『シュッ』
「や、やった! 当たった。当たりました!」
「岡島くん、まだだよ」
「え!?」
後ろが気になって振り向くと、岡島の放った矢は確かにスケルトンの頭蓋を撃ち抜いていた。
ただスケルトンは消滅しておらず、頭に矢を刺したまま岡島の方に向かって這いずり迫ろうとしていた。
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