第96話 日課のガチャ
ステータスの1番の変化がINTだとすれば、表示上最も変化がなかったのはガチャだ。
INTのことが嬉しくてそれほど気にはなってなかったが、レベルアップして変化がなかったのは初めてのことだった。
ただ、それは表示上のことであって実際には変化があった。
それはURガチャのインターバルの減少。
今までURガチャは3日に1回しか引くことが叶わなかったが、今回のレベルアップで2日に1回ひくことが可能になった。
地味に思えるレベルアップだがURガチャの商品の有用性を考えるとこれはかなり有り難い。
もしかしたら次のレベルアップで1日1回引けるようになるかもと思えばテンションは更に上がる。
「よし、じゃあ引いてみるか」
実は、ミノタウロスとの激戦もあり今日までダンジョンには潜らず完全休養していたので、暇つぶしも兼ねて毎日Rガチャを引いてはいたが、人間とは業の深い生き物なのかそれだけでは物足りなくなってしまっている自分がいた。
早速スマホ画面を開いてRガチャを引いていく。
「レアガチャ!」
ポーション(低級)
間違いなく使えるので悪くない。
「レアガチャ!」
イベリコ豚バラ肉 6kg
悪くはないが、我が家の食卓はガチャのせいで肉比率が高くなりしかも量が4人家族が食べれる量ではない。
限りのあるストレージを食料で埋めるにのは難しく、新たに買った冷凍庫もすでにいっぱいなので、今日は豚肉三昧で、神楽坂さん達にもお裾分けだ。
野本さんが加わったので一人当たりの量は少しだけ減ってきたが、メンバーもそろそろお裾分け疲れして来ているのをひしひしと感じるので、まだフレッシュな野本家に頑張ってもらうしかない。
「レアガチャ!」
鉤裂き
また画数の多い漢字表記だが、なんとか読めはする。
カギサキ。
表示をタップしてみると目の前に大きめの鎌が現れた。
雷刀が潰れてしまったので本当は刀が欲しいところだったが仕方がない。
正直モンスター相手に鎌で戦える気は全くしない。
ストレージに刀のストックがあるので、これを使う事はないな。
「レアガチャ!」
シルバーインゴット10kg
うん、これは1番いらないやつだ。
レアガチャでは時々金属のインゴットが当たる。
この前は銅50kgが当たった。
初めてだったので興味本位でタップしてみたが、それなりの大きさの銅の塊が現れた。
目の前に現れた銅の塊を撫でたり触ったりしてみたが、向日葵に、
「お兄ちゃん、それ邪魔だよ」
と言われて終わってしまった。
確かに高校生の俺に使い道は無く、しかも場所を取るので置き場もない。
何かの重しに使うにも50kgは重すぎた。
そして今度は銀。
一見良さそうに見えるが、銀も普通の高校生の俺には使い道は無い。
おそらくこれをどこかに持っていっても買ってもらえないだろうし、買ってもらえるところも見当がつかない。
まあ、今日のRガチャはポーション(低級)が出てだけあたりの部類だろう。
俺は気を取り直してURガチャをタップする。
「ユニークレアガチャ!」
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