第95話 レベル11
「〜〜〜〜あ! ああああっ!」
家に戻ってからスマホのステータス画面を確認して思わず声が出てしまった。
「お兄ちゃんどうしたの? もしかしてまだ腕が痛いの?」
「い、いやそうじゃない。うん大丈夫だから.驚かしてごめんな」
「ふ〜ん、それならいいけど」
向日葵に不審がられてしまったが正直今はそれどころじゃない。
ミノタウロスの経験値の恩恵でレベル11になったが、遂に遂にこの時が来た!
俺は向日葵に気付かれないようにポーカーフェイスを決め込み心の中で「よっしゃあああああ〜!!」と叫んでいた。
能瀬 御門
LV11
HP57→61
ATK47→50
VIT42→44
INT3.0→3.1
AGI60→65
スキル『ガチャ+R4UR1』
これがレベル11となった俺のステータスだ。
相変わらずAGIの伸びは高く今回のレベルアップではなぜかスキルの表示に変化は見られなかった。
もしかしてスキルの成長限界を迎えてしまったのかという考えが頭をよぎったが、そんなことは正直どうでもよかった。
俺の、俺のINTが!
レベル10まで3から一切の上昇を見せなかったINTの数値に変化が!
3.0が3.1へと上昇していた。
人はたかがコンマ1の上昇だろと笑うかもしれない。
だけどそのコンマ1は俺に可能性を示してくれる第一歩。
ただ、上がり幅が小さいせいか実感はなにもない。
「向日葵、ちょっといいか?」
「なに?」
「向日葵のINTって15なんだよな」
「ん? レベルアップしたから今は17だけどね」
「17なのか。ちょっと聞きたいんだけど、向日葵って初期のINTっていくつだったっけ」
「たしか4だったと思うけど」
「4……か。それでどのくらいの数値になったら頭が良くなった感じがあった?」
「そうだな〜学校の授業とか記憶力が良くなった気がするのは7を超えたくらいかな〜。割とレベル2か3の時でもそのくらいの感じだったと思うけど。ステータスが現れてすぐにINTの効果が現れたから助かってるなぁ。もしかしたら1番役に立ってるステータスかも」
「そうか……7か」
「お兄ちゃん、そんなに難しい顔してどうしたの?」
「いや、なんでもない。ただ登る山は途方もなく高いということがわかっただけだ」
「山?」
「ああ、どこかの登山家が言っていた。そこに山があるから登るんだと」
「お兄ちゃん?」
なんとかの道も一歩からだ。
俺の明確な目標が定まった。
目標とするINTは7だ。
今はまだ頂きは全く見えないが、登り始めた以上いつの日かその頂に手が届く日が来るはずだ。
それを信じて俺はレベルアップを繰り返すしかない。
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