第55話 レベル9

そんな世界の潮流の中でも俺が出来る事が急に変わるわけでもないので、自分たちのペースでダンジョンへと挑んでいる。

俺たちのホームダンジョンでも最近、他のサバイバーと遭遇する回数が増えてきている。

そんな中俺達はついに第二層へと到達した。


それと同時に俺のレベルは9へと上がっていた。


能瀬 御門

LV8→9

HP47→51

ATK39→43

VIT36→39

INT3

AGI49→54


スキル『ガチャ+4R4』


レベルアップにより全体のステータスが嵩上げされ、HPとAGIは50を超えた。

相変わらずINT3は固定なので、8回目ともなれば半分諦めの境地に達してはいるが、レベル10で何かしら変化があるのでは無いかと淡い期待を抱いている。

そしてスキルの回数が増える事は無かったが、表記に+がついて、スキルがガチャプラスとなった。


『ガチャプラス』とはなんだ? と思ったが、色々やってみてわかったのは1度排出した賞品を戻せるようになっていた。

未排出の賞品の死蔵期限は2週間まで延び、1度排出した商品は再び戻しても消滅しなくなった。ただしストックできる数は減り30までになってしまった。

制約もあるが、ある意味ストレージ機能が加わった感じだ。

サバイバーになる時にスキル名『ストレージ』で登録したが、これで嘘では無くなった。

そして第二層では出現するモンスターの種類が変わったが、体感的に明らかに第一層のモンスターよりも強くなった気がする。


「お兄ちゃん!」

「わかってる」


俺は前方のモンスターへと走り出す。


『グラビティ』


向日葵のスキルで動きが止まったリザードマンの首を目掛けて手に持つ地刃利を振るう。

地刃利の刃が硬いリザードマンの皮膚を裂き、消滅させる。


『アイスフィスト』


すぐに三上さんがダメージを与えたもう1匹へと走り、もう片方に持つ蝦蟇斬りで絶命させる。


「ふ〜うまくいったな」


俺の装備もレアガチャにより日々更新されている。

当初使用していた風切り丸も、第一層を攻略している時に折れてしまった。

結構馴染んでいたのでショックだったが、モンスターもそんなに甘くは無いので武器は消耗品として割り切るしかなかった。

今使っている地刃利と蝦蟇斬りはどちらも日本刀の流れを汲む武器だ。

日本刀による二刀流は俺が中二病に罹患したからではない。理由はその軽さだ。

日本刀は思ったよりもかなり重い。

だけど、洋式の剣に比べると軽い。

技術がなくAGIが高い俺が重視するのはスピードと手数。

洋式の剣でも今のステータスなら問題なく扱えるがやはりハンドスピードは落ちる。

ハンドスピードを重視し、さらに回転率を上げるための二刀流。

向日葵や三上さんのスキルで足止めしたモンスターを俺が前に出て斬り倒す。

これが俺たちが第一層で確立したパターン。

そして俺の疲労が溜まったら、神楽坂さんが『ヒール』で回復してくれる。

本当に癒される。

神楽坂さんマジ天使。

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