第54話 踏破の知らせ
スケルトンと戦い強く思ったのは、剣や刀との相性は悪くおそらくハンマーのような鈍器の方が戦いやすいという事だ。
ただ、残念なことに俺のガチャでは適当な賞品が排出されていないので、武器を使い潰しながら戦いを続けている。
そして、スキルについて新しい事も少しずつわかり初めている。
俺たちがショッピングモールでの戦いで経験したように、やはりスキルを持たない人がモンスターを倒すとステータスが発現する場合があるらしい。
ただ、全ての人がそうなるわけでは無い。
可能性が高いのは、若い人達。
今までの統計だと15〜20歳くらいの人は、ステータスを発現する可能性が高く50歳を超えて新たにステータスを発現した人の報告は上がってきていないそうだ。
俺同様、自然発生的にスキルホルダーになった人達の中には50代の人もいるようなので、なにが違うのかは未だにわかっていない。
これらの事実が公表されても、命の危険が大きすぎるためかそれほどスキルホルダーが劇的に増える事は無かったが、世界を駆け巡ったあるニュースをきっかけに事態は変わった。
それはダンジョンの踏破
それは中国の東部にあるダンジョンのひとつが踏破されたというニュース。
おそらく史上初となるこの出来事には特別な意味があった。
それはダンジョン内のモンスターの消滅
踏破してもダンジョン自体が消え去る事はなかったらしいが、内部にいた幾多のモンスターが全て消え去ったとのことだった。
詳細はわからなかったが、公表されたその内容は世界を驚かしそして希望を与えた。
これまで訳も分からずダンジョンが現れ、一方的にモンスターに害され、耐える以外には方策のなかった状況で示された可能性。
その可能性に世界が、全人類が沸き立った。
どうやってダンジョンを踏破したのか、ダンジョンの最奥がどうなっているのか等の詳しい内容までは伝わってこないが、噂では物量に物を言わせる死をも厭わない人海戦術で押し切ったと言われている。
当然ながらこの報を受けて世界中のターゲットがダンジョンの踏破へと移った。
既に軍事大国と呼ばれる国では中国に近しい動きを見せているらしい。
そして日本でも同様の動きが加速していったが、軍隊を持たない日本では他国ほどスムーズにはいかなかった。
世論を巻き込んで侃侃諤諤の様相を呈したが、最終的には政治決断でダンジョン踏破に対して100億円の報奨金が設けられる事となった。
しかもこれはひとつのダンジョンにつきだ。
俺から見ればあまりに高額な報奨金にリアリティが無いが、一部のセイバー達は沸き立った。
そしてこの事が死の恐怖を乗り越えてでもスキルホルダーになろうという人達の背中を押し、10代のスキルホルダーが徐々に増えることとなった。
そして国策として積極的にダンジョンへ入る事が今まで以上に推奨されサポート体制も厚くなった。
攻略組と呼ばれるグループが現れ、中にはクランと呼ばれる集団を形成し数の力でダンジョンを征しようという人たちも現れた。
そしてクランの一部は、スキル発現後の入団を条件にスキルを持たない人を募り、モンスターを倒す手助けをするようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます