第51話 俺たちの進む道

ゴブリンとの2度目の戦いをダメージなく終える事ができたが、そこまでだった。

向日葵と三上さんがスキルをほぼ使い果たしてしまったので、これ以上の探索を継続する事が出来なくなってしまいそのまま退散することとなった。

時間にして1時間も経過していないが、今の俺たちの限界はそこだった。

今回の探索でわかった事。

ゴブリンに限定して言えば、向日葵のスキルは無双とも言えるくらいに強力で、向日葵と三上さんのサポートを受ければ、普通に戦っている限りはまず問題なさそうだ。

だけど、それも今回は2回の戦闘で限界を迎えてしまった。

今日が初めてだったのではっきりとは言い切れないが、ダンジョンにはゴブリンが湧いていて、今回は5匹と9匹だったけど、次は10匹もしくは同時に複数の集団に出くわす可能性がある。

俺に関して言えば、まだ戦う事が可能だった。

向日葵達と俺との決定的な違い。

それは、スキルを用いて戦うかどうか。

向日葵達はスキルを消費してモンスターを攻撃している。

これは強力だが、数に制限がある。

俺は『ガチャ』で当たった武器を使って、自分のステータスを頼りに戦っている。

スキルに限りはあるがこれは神楽坂さんにも当てはまる。

俺が、ショッピングモールでも生き残る事が出来た理由が今回の探索ではっきりとわかった。

スキルの回数制限に頼らず体力の続く限りは戦う事ができたから。

確かにあの場で向日葵も三上さんも先にスキルが尽き、戦う力を失っていた。


「今日は、これで引き上げよう。うまくいった方だと思うけど帰ったら今後の方針を相談したいんだけど」


ダンジョンから地上へと戻ってから俺は、これからの事をみんなと話しあった。


俺の考えをみんなに伝えたが、正直俺自身もあまり乗り気ではない。

それは、今後長時間ダンジョンに潜るため女の子3人にモンスターへの武器での直接攻撃をやってもらう事になるからだ。

三上さんも神楽坂さんもあのショッピングモールでの戦いまでモンスターと戦ったこともなく、今回だってかなり無理を押してくれているのはわかる。

向日葵だってスキルが強力だから難なく戦えているけど、スキルがなければステータスは俺よりも低い。

だけど、3人とも俺の話を聞いてその上で一緒にやっていく事に決まった。

少しでも早く強くなりたいという気持ちはあるが、まだ難しい。

みんながレベルアップしてステータスが上がるまでは今まで通り当面スキル押しでいく。


ダンジョンの表層、入り口付近でゴブリンと戦ったらすぐに地上へと戻る。

俺たちは、その単調とも言える行動を週末の度に繰り返し、そしてレベルアップに努めた。

レベルアップを繰り返すうちにゴブリンとの戦闘継続回数も徐々に伸びてきた。

学校が早く終わった日も極力ダンジョンへと潜り、三上さんと神楽坂さんもセイバーとして登録した。

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