第42話 レアガチャ
俺は早速神楽坂さんに教わった通りに呟いてスマホをタップする。
『ガチャレア』
変化はない。
『レアガチャ』
お! 文字情報に変化があった。どうやら正解は『レアガチャ』だったらしい。
あまり親切とは言えない表示だがみんながいてくれて助かった。
景品の表示は『風切り丸』
確信はないがおそらくは剣か刀な気がする。
いずれにしても、今までと違い、名前付きの武器なんじゃないだろうか。
レアというだけあって通常の武器よりも強力で有ればいいが、取り敢えず今は2本の剣があるので出すのはやめておこう。
そしてもうひとつ劇的というか、とんでもない事が起こっていた。
それは、今回の戦闘に加わったスキルホルダーではない人のうち3人にスキルが発現したのだ。
理由はわからない。
そんな情報は聞いた事がなかったが、可能性としてだが、通常モンスターを倒せばレベルが上がる。
レベル1のスキルホルダーがモンスターを倒せばレベル2になるが、スキルホルダーではない人、つまりレベル0の人がモンスターを倒せばレベルアップした場合レベル1となりスキルが発現する。
その可能性があるのかもしれない。
ただし、全員にスキルが発現したわけではないので、なにかしら条件や適性がある可能性はある。
新田さんとスキルホルダーの人達で話し合い、この情報を全員に伝えて、戦闘時の希望者を募るが、希望してきたのは男性が4名のみ。
そして三上さんと神楽坂さんが希望してきた。
ただし三上さんと神楽坂さんは離れたところからボウガンを使っての攻撃のみという条件付きでだ。
1000人を超える人からすれば少ないと感じるが、スキルを得られる可能性を鑑みても人が殺されたというインパクトとショックはそれを遥かに超えるものがあった。
「次もし戦闘になっても絶対前に出ちゃダメだ。もしとどめをさすにしても俺が動けなくしてからね」
「それはありがたいけどちょっと過保護じゃない?」
「過保護にもなるって。なにかあってからじゃ取り返しつかないんだから」
多分2人は俺と向日葵に気を遣って手をあげてくれたんだと思う。
この後、なにもなく救助されるのが1番だけど、それは難しい気がするので、俺が2人を護らないといけない。
もしかしたら個人差はあるかもしれないが、スキルもレベルアップして回数が増えれば増えた分だけは、すぐに使える。
そして、1日経過すれば、スキルの回数はほぼ回復する。
向日葵が途中から参戦して、スキルを使い果たしてしまったように、他の人達もさっきの戦いで一様にスキルを使い果たしており、俺のように戦闘終了時にレベルアップした人と新たにスキルを発現させた人だけが、今の時点でスキルを使用できる状況だ。
つまりは、これから24時間以内に敵の襲撃があった場合、ステータス値だけを頼りにほぼ近接戦のみで応じなければならない。
正直厳しい。厳しすぎる。
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