第41話 タイプR
目の前で人が死んだ事への動揺はおさまっていないが、どうにか穴を塞ぎ自分のステータスを確認してみる。
能瀬 御門
LV4→5
HP18/25→23/30
ATK20→25
VIT19→23
INT3
AGI25→31
スキル『ガチャ4→4R1』
「なんだこれ」
思った通りレベル5へとレベルアップしているが、俺のステータスがおかしな事になっていた。
疲労からHPが減少しているのはわかる。
INTが3で固定されているのも今更感がある。
そしてAGIが30オーバーとなり、俺のステータスは完全にAGI偏重のスピード型であるのはもう間違いない。
そしておかしいのはスキルである『ガチャ』だ。
てっきり『ガチャ5』になっているものだとばかり思っていたが実際に表示されているのは『ガチャ4R1』
突然暗号のような表示に変わっていた。
『ガチャ4』までは今までと変化無しだ。問題はその後ろのR1
突然のアルファベット表記。
まさかTYPE-Rとかに進化したって事!?
なんか凄そうだけど期待できるのか?
先程の戦闘で50を超えるゴブリンを倒したが、当初確認できた個体はもっと多かった。
つまり外にはまだ相当数のゴブリンがうろついているという事なので、またいつ襲ってきても不思議は無い。
少しでも戦力アップできるなら今のうちにしておきたい。
俺はスマホをタップして小さくつぶやく。
『ガチャアール』
なぜかなんの変化もない。
言い方がおかしいのか?
『ガチャタイプアール』
やはり変化が無い。
どうなってるんだ?
「御門くん、怪我とか無い? 大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫」
「御門すごかったね。それに向日葵ちゃんがあんな凄いとは知らなかったけど、無双してなかった?」
「それほどでも無いですよ」
「実際向日葵は俺よりも強いからなぁ」
「兄妹でスキルホルダーって凄いね。私もスキルが使えたら力になれたのに。まさかあんなに人が死んじゃうなんて」
「2人とも、何かあったら絶対逃げるんだ。相手はモンスターなんだ。容赦ないから」
「わかった」
今回の戦闘でわかってはいたが、モンスターの恐ろしさを再認識した。
やはりモンスターは人の敵でしかない。
奴らは人を殺すために存在している。
「3人に相談というか聞きたい事があるんだけど」
「なに? お兄ちゃん」
「実はさっきの戦いでレベルアップしたんだけど」
「あ、私も」
「それで、俺のスキル『ガチャ』もレベルアップしたんだけど表示がおかしくて『ガチャ4R1』になったんだ。今まで『ガチャ4』で4回使用できてたんだけど」
「御門それのどこがおかしいの?」
「さっきスキルを発動しようとして『ガチャアール』、『ガチャタイプアール』って唱えてみたんだけど変化がなくて」
「お兄ちゃんタイプアールって」
「御門ってソシャゲってした事ないの?」
「あんまりないけど」
「御門くん、多分『ガチャレア』か『レアガチャ』なんじゃないかな」
「レア……」
言われてみればレアな気がする。
タイプアールじゃなかった。
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