第35話 籠城1

サードブレイク。

向日葵の言う通りだ。

セカンドブレイクの時にも微かな地震を感じた。

今回の地震もサードブレイクによるものだとすればこの状況も理解できる。

だけどセカンドブレイクからどれほども時間が経っていないのに、サードブレイク!?

しかも、今回は大きな揺れにあの数のモンスターが溢れ出してきている。

明らかに今までの2回とは異なる。

情報のない今考えられるのは2つ。

ひとつは今までとは比較にならない規模で起こった可能性、もうひとつは、ここが震源地に近い可能性。

いずれにしても、まずい。

ここは数千の人が集まるショッピングモールだ。

俺がそうであるように当然俺以外のセイバーの人もいたようで、外では何人かの人がスキルらしきものを使い応戦しているのが見えるが、数が違いすぎる。

手段を持たない人達はすぐにゴブリンに追いつかれ狩られた。


「向日葵見るな!」


俺だって人が狩られるのを見るのは初めてだが、これは向日葵に見せていい光景じゃない。

このまま外に出るのがまずいのはわかるが、どうしていいかわからない。

こんな時INT 3の自分が恨めしい。


「御門、これって中にいた方がいいんじゃない」

「中に?」

「ここはショッピングモールなんだから、なんでも揃ってるし、入り口さえ塞いじゃえばどうにかなるんじゃない」

「入り口を塞ぐってどうすれば」

「警備の人か誰かに聞けば自動ドアは止められるんじゃない?」

「だけど、籠ってどうすれば」

「これだけモンスターが現れたら流石に自衛隊とかがきてくれるんじゃないかな」

「舞歌のいう通りよ。それまで耐えればどうにかなると思う」

「できるかどうかわからないけど、やってみるか」


他に案も思いつかないので俺は急いで警備の人を探すが、全く見当たらない。

代わりにモールの従業員を見つけて、話をする。


「いや、私にそんな権限は」

「じゃあ、誰か権限のある人に! ゴブリンがせめて来てもいいんですか!」

「それは……」

「時間がありません! 俺はセイバーです! 籠ればなんとかなります!」

「あなたセイバーなんですか?」

「はい」


正直俺1人でどうにかなる問題ではないが、なかなか動いてくれないのでセイバー登録証を見せ無理矢理動いてもらう。

駆け足で事務所に連れて行かれ、GMという役職の人に急いで話を通す。


「わかりました。館内放送して、全館締めましょう」


GMの人は行動が早かった。

館内放送で、屋外にモンスターの群れがいる事と今から自動ドアの電源を落とし閉め切る旨を伝え、すぐに実行に移してくれた。

そして再び館内放送で、館内に残っている人たちが1箇所に集められたがショップの店員さん達もいるため思ったよりも人は多く2000人近くの人が残っていた。



お願い

モブから6発売中です。

今週いっぱい買ってもらえると7巻が出ます。

よろしくお願いします。

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