第32話 学校生活

当然セイバーとなった俺には学校を護る義務も発生するわけで、全校生徒にセイバーとなった事が伝えられた。

そしたら急に話しかけてくる人が増えてビックリだが、その中にはなぜか岸田も含まれていた。

やはり岸田と大前もレベルアップしたようでその恩恵もあったのかすぐに退院出来たらしく、登校すると岸田に絡まれたというかやたらと喋りかけられた。

横柄な態度は相変わらずだが、妙にフレンドリーというか変な感じがする。もしかしたら同じスキルホルダーという事で親近感が湧いているのかもしれない。

逆に大前はガーゴイルにやられた心のダメージがまだ残っているのか、以前よりも寡黙になってしまった。


「御門がいれば安心だよね」

「まあ、一応」

「御門ってもしかして照れ屋さんでしょ」

「三上さん……」


三上さんは宣言通り俺のことを御門と呼び


「御門くん、よかったらこれ食べて。昨日作ったんだ」

「え!? クッキー? 俺にくれるのありがとう」


神楽坂さんは御門くんと呼ぶようになった。

まあかわいい子に名前で呼ばれて嬉しくないわけがないので、普通にうれしい。

そしてなんとなく学校生活が色づいてきたような気がする。

やっぱりセイバーになったのは間違いじゃなかったようだ。

ただ、あからさまに俺が得るであろう100万円を目当てにした、女の子達もいて、攻勢を強められると日々躱すのがかなり厳しい。

俺も嬉しくなって一度だけカラオケに付き合ってみたが、5人分の会計は全て俺持ちだった。

まだ初月の入金も無いのに俺には厳しすぎた。

それ以来、お金目当ての子達とはどうにか距離を取ろうと努力している。

そして既に何度か『ガチャ』を引いた結果、思った通り武器はバスタードソードやブロードソードなどが出た。

もう完全なるファンタジー武器だが、これも家族分揃えたらそれ以上はあまり必要がなくなりそうだ。

増えたらセイバーの3人にあげてもいいけど一応俺のスキルはストレージということになっているので、武器をポンポンあげるのも怪しい気がする。

スキルホルダー以外の人には、以前でた短刀やナイフの方が使いやすい気がするし、スキルがランクアップすると、更新されて以前出ていたような物が出なくなるのは、レベルアップの唯一のデメリットかもしれない。

ちなみに景品で当たった薬草は、捨ててもよかったが、なんとなく勿体無い気がして、湯掻いて鰹節と醤油をかけて食べてみた。

味は独特の苦味があったが、食べられないことはなかった。

そして茹でた薬草に効果があったのかは結局よくわかっていない。

今の俺に薬草は使いこなせそうに無いので、もう当たってほしくは無い景品のひとつとなった。

もしかしたら錬金や調薬スキルなんてものがあるのかもしれないけど、薬草は良薬口に苦しとはよく言ったもので本当に苦くてまずい。


お知らせ

明日4/1 HJ文庫モブから始まる探索英雄譚6が発売です。

早い書店は明日並びます。

よろしくお願いします。

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