第28話 セイバースレ1

結論としては俺がスキルホルダーである事がクラスの皆にバレた。

もっと言えば、同じフロアの生徒のほぼ全員にバレてしまった。

いちおう誤魔化してみたけど、やっぱり無理だった。

野本さんにも指摘されたけど、剣を両手にガーゴイルとやり合ってしらばっくれるのは無理があった。

そもそも興奮していて憶えていないが自分が能力者であることを口ばしってしまっていたらしい。

仕方がないのでみんなには、戦闘向きのスキルじゃないからと言っておいた。

誰かがストレージ系のスキルだろと言っていたので、それに乗っかっておくことにした。

岸田と大前は、救急車で運ばれて行ったが、レベルが低くてもスキルホルダーなので命に別状は無さそうだ。

もしかしたらあの2人もレベルアップして恩恵を受けていたかもしれない。


スキルの事は相談する相手もいないので時々掲示板を見ているが、以前に比べると格段に板も書き込みも増えているがその中のひとつに気になる書き込みを見つけた。



111

なんか、最近モンスターのエンカウント率高くなってる気がする


112

俺、セイバー。もう10回もモンスターと交戦。レベル3


125

レベル1から上がらん。ゴブリンだけじゃ上がらんの?


126

俺はレベル2。ゴブリン2匹で上がったけど、やっぱり個人差あるんだな.もしかして俺早熟スキル持ち?


129

セイバー最高!! 月収3万から一気に100万ってヤバい。俺の人生勝った!


135

いや、セイバー割りに合わない。危険度高すぎる。一昨日腕の骨折られたし、もうやめようかな。


137

そもそもセイバーってやめれるの?



当たり前だけどセイバーはいいことばかりじゃない。

100万も貰えるんだからリスクも高い。



151

パーティ組んでダンジョン潜ってきた。マジ魔境。沸いてる。だけど稼げる。



どうやらダンジョンに潜ってる人もいるらしい。

ダンジョンの言葉自体は知っていたが本当にダンジョンにはモンスターが溢れているらしい。

普通にセイバーしてるだけでも尊敬に値するが自らモンスターのいるところに飛び込むってすごいな。


154

ダンジョンどのくらい稼げる? 情報求む


155

4人で1日12万行けた。手当とは別だし結構でかい。


157

ひとり30000円か。微妙


163

この前オークが出た。ヤバい。ゴブリンと比べられないくらい強かった。ひとりじゃやられるところだった。


165

オークって食えるの?


166

それは異世界だけだ。


169

先週、知り合いの学校にガーゴイル出たらしい


173

学校にガーゴイル? ヤバ


176

その学校終わた


177

いやスクールセイバーが倒したみたい


179

スクールセイバーって高校生? マジで? ゴブリンじゃなくてガーゴイル?



あれ? もしかしてこの書き込みってうちの学校のことじゃ……



180

マジ。ガーゴイルらしい


182

ガーゴイルってあったことないけどレベルどのくらいでいける?


183

レベル3じゃ無理。レベル5は必要じゃね


184

セイバーの数にもよる。パーティの総レベ10は要るだろ


185

それってかなりじゃね。この中にガーゴイルとやったことある奴いる?


188

キラーアントならある


189

蟻とガーゴイルじゃ違うだろ。鳥と餌だぜ


191

ガーゴイルって鳥だったん


192

そこ!?


193

蟻を舐めるな! 蟻にやられかけたわ。


195

蟻には殺虫剤。ガーゴイルにあったらちびるかも。今時の高校生すげえ


198

オークにガーゴイルって完全にファンタジー。この世界ってどんどんファンタジー化してる? もしかしてドラゴンとかもいるのかな


199

ドラゴンって……


201

オマ、それ……


202

もうそれモンスターっていうより怪獣


203

ドラゴン? 俺のライトニングスマッシュが唸るぜ。ゴブリンに2発かかったけど


206

絶対無理やろ。ドラゴン出たら日本は滅ぶ


207

勇者希望



ガーゴイルであれだけ苦戦したのにドラゴンってまさかだけど、今の世の中有り得ない話じゃないのが怖い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る