第27話 レベル4

ガーゴイル、やはりゴブリンとは桁違いに強かった。

多分1人だったらやられていたかもしれない。

身体中が痛いのは変わらないが、完全にガス欠だったのが少し動けるようになっている気がする。

これってもしかして


能瀬 御門

LV3→4

HP6/20→11/25

ATK15→20

VIT14→19

INT3

AGI18→25


スキル『ガチャ3→4』


やはりレベルが上がっている。

こういう状況に追い込まれたのは初めてだが、どうもガーゴイルとの戦いでHPが6まで低下していたようだ。

これって0になったら死んでしまうって事なのか?

そうだとすれば6はかなり危なかったのかもしれない。

それがレベルアップ分の5回復して今は11になっているので、少し動けるようになっているのだろう。

だけど身体中が痛いのは変わらないので、HPが回復しても傷や痛みが治るのとは少し違うのかもしれない。

向日葵のステータスしか聞いた事がないからはっきりとは言えないが、AGIの伸びだけが高い気がする。

そしてレベル4になってもINTは3のまま。

流石にこのまま伸びないのであれば落ち込んでしまいそうだ。

そして『ガチャ』の回数が4へと昇華した。

今までの事を考えると、スキルの回数が増えるという事はスキル自体の性能が上がった事と同義なので、今使ったショートソードより更に強力な武器が出る可能性がある。


「あ……私レベルアップしたみたいです」


どうやら野本さんもさっきの戦いでレベルアップしたらしい。

未だにレベルアップの仕組みはよくわからないが、とどめをささなくても戦闘に参加していれば、レベルアップの対象になるみたいだな。

貢献度的なものがあるのかもしれないけど、もしかしたら大前と岸田もレベルアップしたかもしれない。

ガーゴイルの消えた跡を見てみるが特にドロップらしきものはなかった。

まあ、ここでドロップが出ても4人で分けるとかは難しかったし厄介事が増えなくてよかったかもしれない。

戦いが終わったのを察して、廊下の1番奥から数人の生徒が覗いているのが見える。


「おお〜い。大丈夫か〜」

「ああ、なんとか」

「モンスターは?」

「倒したよ」

「おおおお〜マジで。みんな〜モンスター倒したって! もう大丈夫そうだぞ!」

「おおおお〜よかった〜。もう死ぬかと思ったぞ」

「モンスターヤバすぎ」

「一応救急車呼んどいた」


モンスターが倒されたのを確認するとみんなが様子を窺いながら戻ってきた。


「能瀬くん大丈夫?」

「ああ、神楽坂さん、大丈夫ではないけどなんとかね」

「能瀬くんが倒したんだよね」

「いや、まあ、俺1人じゃないんだけど」

「能瀬くん、その剣すごいね。ファンタジーっぽいって言うか2刀流ってやばくない?」

「三上さん、やばくはないと思うけどみんな無事でよかったよ」

「能瀬くん、助けてくれてありがとう」

「怪我がなくてよかったよ」

「そうだ能瀬くん、御門くんって呼んでいいい?」

「え、なんで名前」

「だって、モンスターから救ってもらってここは惚れるところでしょ。ねぇ舞歌」

「うぅん」


三上さんがいきなりぶっ込んできたが、神楽坂さんの「うぅん」は肯定の「うん」なのか否定の「ううん」なのか判断がつかない。

表情的には微妙なところだが、ここで確認する勇気は俺にはない。

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