第21話 強襲

そして学校ではまた変化があった。

大前に続き、もう2人生徒からセイバーが生まれていた。

これで学校内のセイバーは3人になった。

まあ、セイバーが多ければ多いほど学校の安全が担保されるのでいい事ではあるのだが、そのうちの1人はかなり調子に乗っている。

周りが持ち上げるのが良くないのだと思うが、まさにお山の大将。

クラスが違うので直接的な影響は少ないが、普段から威張り散らしている。

もう1人は学年が違う上に女の子らしく全く面識はない。


「ねぇねぇ、能瀬くんはそろそろセイバーになったりしないの?」

「ちょっ、その話は……」

「大丈夫大丈夫、みんな騒いでるし、私たちにしか聴こえてないから」

「それにしてもなぁ」

「セイバーが3人になった事だし、そろそろ能瀬くんもねぇ。そう思うでしょ舞歌」

「そうね。それもいいかなとは思うんだけど」

「そうは言うけど、俺のスキルは戦闘用向きじゃないからむりじゃないかなぁ」

「3組の岸田くんが偉そうにしてるし、能瀬くんがセイバーになってくれた方がねぇ」

「ああ……そういう感じか」


三上さんの言うこともわからなくはないけどなぁ。


「おい、あれってなに?」

「え? ただの鳥じゃねえの」

「いや、鳥にしては大きさがおかしくねえか?」

「たしかに変かも」

「ちょっと待て、こっちに向かってきてねえ?」

「おい、大前こっち来てくれ」

「そうかしたのか?」

「あれ、なんだと思う?」

「鳥じゃなさそうだな。こっちに向かってきてるけどなんだ? もしかしてモンスター? いや、だけどゴブリンは飛ばないだろ」

「おいおい、来てるぞ!」

「みんな〜モンスターだ! 来てるぞ〜!」

「おい、大前頼むぞ!」

「お、おお、任せてくれ」


クラスメイトが騒いでいるので俺も慌てて外を見てみるが、確かに何かがこちらに向かって飛んで来ている。

大きさから言ってカラスとかではないのは間違いない。


「三上さん、神楽坂さん、逃げよう」

「え? 本当にモンスター?」

「可能性はある。武器持ってる?」

「私はスタンガン」

「私も」

「じゃあ、それを持ってとりあえず廊下に出よう」


大前の言うようにゴブリンなら空を飛ぶ事はない。もしあれがモンスターなら俺の見たことのないモンスターということになる。

普通に考えてゴブリンよりも上位のモンスター。

やばい。


「3組の岸田にも声を声をかけよう。できればもう1人のセイバーにも。誰か行ってくれ!」


柄じゃないが、俺は何度かゴブリンと戦ったおかげで他の生徒よりは耐性があるので、急いで指示を出す。


「御門、まかせろ。俺が行ってくる」

「俺も行くぜ」

「頼んだ」


大前以外のセイバーの能力は知らないが、3人いればどうにかなるだろう。

俺はそのまま、教室に置いてあった大ぶりのナイフを手に取りクラスの何人かと一緒に避難の為廊下へと移動する。


あとがき

先程投稿しようとして誤ってスマホが川に水没してしまいました。

追って作者も落水してしまいました。

今から病院に行ってきます。

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