第20話 レベル3

学校にゴブリンが現れる事は無かったが、やはりセカンドブレイクの影響は大きく、学校の生徒がモンスターに襲われるケースが頻発している。

この前の件でみんな武器を携帯するようにはなったが、スキルを持たないものがモンスターと戦うのは厳しい。

既に何人かの生徒は学校に来なくなってしまった。

そして俺と向日葵も何度かゴブリンに遭遇してしまっている。

向日葵には1人の時は逃げるように言っておいたのにしっかりしとめたらしく、遂にレベル2となったようだ。

元々INT以外の数値は俺より低かったのでレベルが上がっても俺よりは数値が低めだが、全ての数値が5は超えているので平均的な成人男性よりは上だろう。

レベルアップにより思っていた通りスキルの使用回数が増え、若干ではあるが威力も増している。

そして俺はやっぱりレベルアップするが速いらしくレベル3へと到達した。


能瀬 御門

LV2→3

HP15→20

MP15→20

ATK10→15

VIT9→14

INT3

AGI12→18


スキル『ガチャ2→3』


そして俺の『ガチャ』の使用回数は3回へと昇華した。

既に、一対一なら正面から当たってもゴブリンに負けないだけのステータスとなっている。


「なんでかなぁ」


向日葵はINTも上昇していたのに俺はレベル3になっても初期数値のままだ。

レベルアップ最大の謎と言っても過言ではないだろう。

レベルアップしてから初めての『ガチャ』を引いてみる。

スマホに表示されたのはショートソード1。


「おおおお〜!」


ついにショートとはいえソード。

今までと違い完全に戦闘の特化したれっきとした武器だ。

ドキドキしながらスマホをタップする。

すると目の前には刃渡り60センチはありそうな立派な剣が現れた。

はやる気持ちを抑え手に持つとずっしりとした重みが伝わる。

本物の剣だ。

何度か振ってみるが、これならゴブリンなんか目じゃない気がする。

大幅な戦力アップだ。

俺は大喜びで向日葵に剣を見せたが、ひと言。


「お兄ちゃん、こんなのどうやって持ち運ぶ気? 警察に捕まるよ?」

「………」


確かに、これを普段から持ち歩くのはまずい。

セイバーになれば問題ないが、一般学生が持ち歩いていいもんじゃないのは確かだ。

あまりのショックに一瞬声を失ってしまった。

それでも、なんとか立ち直り、いちおう『ガチャ』は毎日回している。

家族分の武器が出てからは、武器が出た場合スマホ内に死蔵しておいた。

それでわかったが、消去される日数が6日から8日に伸びていた。

今のところ特に役に立つ事はない機能だが地味に、スマホ内での保存期間も伸びたらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る