第18話 初めてのドロップ
ゴブリンの消えた跡を見ると一匹のいた所に以前俺の『ガチャ』で出たのと同じ魔石が落ちていた。
「これってもしかしてゴブリンが残したのか?」
「多分そうじゃない」
「モンスターって倒すと魔石を残すのか? だけど3匹いたのに一個だけか」
「ゲームとかであるでしょ。ドロップよ。それにもしかしたら魔石以外にも落とすかも。もっと強いモンスターならレアアイテムとかドロップするかも」
「向日葵、調子に乗るんじゃない」
「は〜い」
「それより、向日葵ステータスはどうなってる? レベルアップしてないか?」
「え〜っと、残念。まだレベルアップしてないみたい」
「そうなのか」
てっきり3匹も倒したのでレベルアップしてるものだとばかり思っていたが、そうではないらしい。
やはり個人差があるのかもしれない。
まあ俺は上がりやすい体質だったのかもな。
ほとんど向日葵が倒してしまったとはいえ、ゴブリンにとどめををさした状況はこの前とそう変わらないが、明らかにこの前よりもスムーズに倒せた。
多分だけど俺は強くなっている。
ゴブリンと正面から戦って勝てるほどになっているのかはわからないが、それでも強くなって損はない。
家に帰ってから、ゴブリンのドロップについてもスマホで調べてみた。
やはり、ゴブリンからはたまにドロップが出るらしい。
これはゴブリンに限った話ではないようだが、ゴブリンからドロップするのは今のところ魔石だけらしい。
そして肝心な事が2点。
魔石とは何かという事だが、なにやらエネルギーの塊らしく偉い学者の人達がこぞって魔石に含まれたエネルギーの使い方を研究中らしい。
そして一番大事なのは魔石は売れるのか。
この答えは非常に微妙なものだった。
結論から言えば、魔石は売れる。
むしろドンドン買取ります的な感じさえある。
価格はゴブリンの魔核で15000円くらい。
高いのか安いのかわからないが買取価格でこれなので、高校生の俺にはかなりデカい。
ただし問題がひとつあった。
買取してくれるのはセイバーからのみ。
盗難や怪しいルートのものを買い取れないという建前と、セイバーの登録を促すという実利的な理由かららしい。
つまりは、今のままだと俺の手元にある魔石はただの綺麗な石でお金を産む事はない。
今手元にある魔石は2個。
つまりは30000円分だが、セイバーにならない限り売り捌けない。
大前とかに頼む手もない事はないが、いったいどこから手に入れたのか疑われるのは間違いない。
今のところ、どうしようもないので死蔵させるしかなさそうだ。
あまりモンスターと出会いたくはないが、今後戦う事があって、もっと魔石が増えてしまったらその時にどうするか真剣に考えようかと思う。
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