第15話 遭遇
2人とも特に目的も無いのでふらふらしながら街を歩く。
「よく考えたらお兄ちゃんのスキルで欲しい服が当たったりすればいいんじゃない?」
「服は当たっても困るだろ。色とかサイズとかあるし。ショッキングピンクのワンピースとか当たったらやろうか?」
「うん、ごめん。無理」
残念な事に俺のスキル『ガチャ』は完全にランダム。
本物のガチャなら大体の景品や当たりがわかるが俺の『ガチャ』は引いてみるまでなにが当たるのかわからない。
今のところ特に法則性があるようにも感じない。
「あれ? 能瀬くん?」
向日葵と話しながら歩いていると突然聞き覚えのある声に呼び止められた。
「あ、神楽坂さんに三上さん」
そこにいたのは最近挨拶する様になったクラスメイトの神楽坂さんと三上さんだった。
「え〜っと能瀬くんはここでなにをしてるの? デート?」
2人が探るような目で問いかけてくる。
「デート!? いやいや、妹とブラブラしてただけ」
「そちらは妹さん? 初めまして、能瀬くんのクラスメイトの三上です」
「初めまして」
「クラスメイトで能瀬くんに助けてもらった神楽坂です」
「妹の向日葵です」
「ちょっと能瀬くん、妹さんかわいい。能瀬くんと似てなくない?」
「俺は父親似で妹は母親似なんだよ」
人からよく言われることではあるけど、俺と向日葵の顔はあまり似ていない。
まあ、妹が父親似になるより良かったんだと思う。
俺はたまに母親似だったら良かったのにと思うことがあるけど。
「へ〜っ、でも兄妹で買い物なんて仲がいいんだね」
「いや普通だよ」
「ここで会ったのもせっかくだし、よかったら妹さんも一緒に4人でどう?」
「ちょっと、英美里、迷惑でしょ」
「どうかな向日葵ちゃん」
「私は別にいいですよ」
「おい、向日葵」
「せっかく誘ってもらってるしいいでしょ」
「向日葵がいいなら俺は別にいいけど」
「じゃあ決まり。どっかカフェでも行く? 向日葵ちゃんの分はお姉さんが奢っちゃう」
「本当ですか〜」
向日葵も褒められて嬉しかったのか、なぜか三上さんの提案で4人でカフェに行く事になってしまった。
「ごめんね。英美里が強引に。迷惑じゃなかった?」
「特に予定があったわけじゃないから大丈夫だよ」
「それならよかった」
ある意味役得かもしれない。
神楽坂さんとカフェなんか普通ならありえない。それに三上さんもかなりおしゃれでいつもより大人っぽく見える。
神楽坂さんは、イメージ通り清楚な感じでかなりかわいい。制服も可愛いけど私服姿もかわいい。多分神楽坂さんが着るとどんな服でもかわいいんだろう。
かわいいって正義だな。
そんな軽い気持ちのまま、近くのカフェに入ったが、正直、俺は女子3人というものを舐めていたのかもしれない。
あとがき
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