第13話 変化

ステータスの変化は日常の中ではあまり感じる事は無いが、最も変化を感じるのはスキルの変化だ。

単純に1日2回引ける様になったのは大きな変化だが、それと同時に明らかに変化した事がある。

それはガチャで当たる景品だ。

たまに以前と変わらず、食器とかも当たるが明らかに以前よりも質が上がっている。

牛肉1KGやマスクメロンなんかも当たる様になったし、何より半年間で2回しか出なかった武器っぽいものが時々出るようになった。

しかも包丁とかよりも少し武器っぽく、アーミーナイフとか懐剣とかだ。

それが1日に2回も引けるので、かなり使える。

食材は、母さんに喜ばれるし、出た武器は家族に配っている。

牛肉もそれなりにいい肉みたいで、スーパーで安い肉を買うよりずっと美味しいし豚肉や鶏肉も当たるので飽きずに助かっている。

そしてレベルアップしたのと同時に俺にはもうひとつ変化が起こっていた。


「おはよう、能瀬くん」

「ああ、おはよう神楽坂さん」


クラスでもあまり話したことのなかった神楽坂さんが、俺に挨拶をして来てくれる様になったのだ。

だからどうしたと言われればそれまでだが、やはりかわいい子から挨拶してもらって嫌な気はしないので、学校生活に少し潤いが出た気がする。


「御門くん、おはよう」

「木里さんおはよう」

「おう」

「堂本、おはよう」


そして、神楽坂さんだけではなく、今まであまり接点のなかった他のクラスメイトからも結構挨拶される様になった。

どうやら、逃げた生徒も残っていた生徒から俺がゴブリンを倒したのを聞いたらしく、それなりに恩義を感じたのか

結構話しかけてくれる様になった。

今までも別にボッチだったわけではないが、まあ友達は多い方がいいので、これはこれでよかった気がする。


「大前くん、おはよう」

「おはよう」


セイバーである大前にも以前と変わらず女の子が声をかけているが、少し変化があったように思える。

それはみんなではなく大前の態度だ。

間違いなく下の階いたゴブリンは大前が倒したはずだが、思った以上にゴブリンが強かったのかもしれない。

あれ以来、大前が以前のように大口を叩く事が減った気がする。

教室に残っていた生徒からは、ゴブリンを倒した鉈はどうしたのかと聞かれたが、護身用に持っていたという事にしておいた。

朝の挨拶で気分の上がった俺は、授業も今までより集中して聴く事ができている気がする。

そして集中して授業を聴いた後には母さんが作ってくれた弁当だが、俺の昼の弁当は今までよりかなり豪勢なものとなっていた。

もちろんスキルによる恩恵だ。

俺のスキル『ガチャ』は思った以上に当たりだったのかもしれない。


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