第8話スクールセイバー
「みんな聞いてくれ。俺実はセイバーになったんだ。このあたりはセイバーもまだ少ないみたいで、俺はこのままこの学校に通える事になったんだ。みんなの事は俺が守るからなにかあったら任せとけ」
「すご〜い。大前君スキル使えたんだね。私ずっと不安だったんだ。これで安心だね」
「おう、木下俺に任せとけ」
「大前君私も守ってくれる?」
「ハハッ、当たり前だろ。俺はセイバーだぜ」
「大前、お前月に100万もらえるのか?」
「おう、まあな」
「勝ち組決定じゃんか。羨ましい限りだ」
「そういうなよ。代わりにモンスターが出たら戦わないといけないんだから」
「ああ、頼んだぞ」
「まかせとけよ」
その日いつものように学校に登校すると、クラスの大前が突然セイバーになったと言い出した。
俺や向日葵がスキルを発動したんだから、俺達以外にもスキルを発現した奴がいてもなんの不思議もないがそれにしてもセイバーか。
大前はクラスの中では真ん中より少し上くらいのポジションの奴で、特別スポーツや格闘技が出来る感じのやつではない。
よほど優秀なスキルを発現したのかもしれないが、本当にモンスターが現れたら戦う気なのか?
俺としては護ってくれるならこんなに嬉しい事はないが、正直大前がモンスターと戦っている姿を想像する事ができない。
「御門、大前のやつセイバーだってよ」
「ああ、そうみたいだな」
「いいよな〜俺だってスキルさえ使えればな〜。モテるし金持ちになれるし勝ち組になれるのにな〜」
「そんないい物でもないかもしれないぞ? だってモンスターだぞ」
「そういえば前に御門もステータスがどうとか言ってなかったか?」
「いや、それただの勘違いだから」
「そっか。そうだよな。スキルあったらもうセイバーになってるよな」
スキルを発現したからといって必ずしも戦闘向きとは限らないんだよ。
多分俺以外にも戦闘に向かないスキルを発現した人もいるんだろうな。
「大前君のスキルってなんなのか聞いてもいい?」
「ああ聞いてくれ。俺のスキルはなんと『ウィンドブラスト』だ」
「風魔法みたいなもの?」
「ああ、いわゆる空気砲みたいな感じかな」
「へ〜っ、凄そう。猫型ロボットとか出て来そうだね」
「まあ、あんな感じかもな」
大前のスキルは空気砲なのか。
空気砲のイメージってあんまり敵を倒すっていうよりも弾き飛ばす感じに思えるけど、モンスター相手に本当に通用するんだろうか。
いや、セイバーになれたくらいだからきっとすごいんだろう。
俺は基本、ここら辺はネガティブに出来ているようなのでダメだな。
こんな暗い世の中になってしまったんだから、気持ちくらいは前向きで行きたいところだな。
ちなみに今日、朝引いたガチャで出たのはシャインマスカットだった。
ある意味大当たりだろう。
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