筋肉が好きですでも骨はもっと好きです
鳥尾巻
筋骨
肩甲骨は最も機能的なデザインであると誰かが言っていた。それは大いに頷ける。
お題が筋肉なのに冒頭から骨の話で申し訳ない。まずは土台となる美しい骨がないと、その上に乗る筋肉が整わないのだから仕方ない。
何言ってるか分からないって?私にも分からない。この話がどこに着地するのかも分からずに勢いで書いているからだ。
物心つく前から物の構造には興味津々の子供だった。昔の写真を見ると、折角の綺麗な人形や玩具を無惨に解体した私の姿。
幸い父は自由にやらせてくれる主義だったので、私が何をしようが黙って、というより面白がって見ている節があった。蔵書も多く、父の書斎に入り浸っては図鑑や美術書、大人が読むような本を読み漁っていた。
そして出会った骨と筋肉。出会いは必然。映画好きでもあった父の影響で筋肉踊るカンフー映画にはまり、胡桃を握って握力を鍛えた。
転校の多かった小学生時代、女子と
中学に入ってからは剣道部に属し、黙々と筋肉を鍛え、そのお陰で握力は40㎏を超えた。その後美術部に転向し、デッサンを通じ人体構造を学ぶ。
顧問の美術教師はよく「肉の!盛り上がりを!よく見ろ!」と叫ぶ人だった。その場合の盛り上がりとは皮膚を押し上げる骨と筋肉に他ならない。
すっかり心酔した私は、年頃になって姉や友人がアイドルに熱狂するのと同じ熱量で筋肉と骨を愛した。机の前には骨格筋図と全身骨格図のポスターを貼る。
一推しは肩甲骨烏口突起から上腕骨に向かう筋肉の流れ。奥さん!ここストレッチすると気持ちいい所ですよ!猫背や巻肩が改善されます!
一時期鍛えすぎて、逆三角体型になり、バイクに乗るのに邪魔な髪の毛を短く刈り上げていたら、部屋で着替えていて姉に男性と間違えられ本気の悲鳴を上げられた。
だが問題ない。筋肉は全てを解決するのだ。
筋肉が好きですでも骨はもっと好きです 鳥尾巻 @toriokan
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