5.君だけしか

俺の身体を包み込むように柔らかな感触と温もりを感じた。

甘ったるい匂いが鼻腔をくすぐる。

「先輩を私なしじゃ生きられないようにしちゃいますね」

そう耳元で愛華くんの声が聞こえた。

俺は、もう考えることを放棄していた。

もう、流れに任してしまっている。

俺たちは、ベッドで抱き合っていた。

すっかり、俺は彼女に依存してしまっている。

もう、離れたくないとまで思っている。

愛華くんの言うように、俺は彼女なしではもういられないかもしれない。

「愛華・・・くん」

「せん・・・宗吾」

何度も何度も唇を重ね、身体を重ね合わせる。

俺は、甘い幸福感の中にいた。

「宗吾、もううち以外見ちゃダメ。

うちだけを愛して」

「愛華、好きだ」

俺は、堕ちていった。

彼女の深すぎる愛に。

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