第28章 背景説明
第121話 経過説明
(第28章はこの話を含めて基本的に設定説明となります。面倒臭いと思う方は斜め読みor読み飛ばして下さい。
12月29日公開の第29章126話から戦闘開始となります)
もちろんついた先はハッテン場として有名な公衆便所、ではなかった。合宿所旧館の会議室だ。
12人くらい用の大机があったのでそこに座り、そしてミーツ氏が話し出す。
「説明すべき事は山ほどある。だがまずは現在のレプチンとフィジークの動きからにしよう。
今朝、在レプチンのフィジーク公国大使がレプチン当局へと至急の呼び出しを受けた。1時間ほど後レプチン政庁へ到着したフィジーク公国大使は、
通告書の内容はフィジーク国内における
なお関連被疑者として引き渡しを要求した者には
「教皇の引き渡しまで要求したのでごわすか」
ミーツ氏は頷く。
「然り。なお通告書の内容は既にフィジーク公国側から公開されている。そう遠くないうちに号外紙等で一般にも広がるだろう。
捜査の結果、教団がフィジーク国内で組織的に犯罪を行っている証拠がいくつも出てきているようだ。中にはかつてのフィジーク大公暗殺事件や20名以上の児童誘拐・殺人事件も含まれている。フィジークとしても見逃すわけにはいかなかったのだろう。
しかしレプチン及び教団としては当然そんな通告は受け入れられない。いや、それでも都市国家の政治としては受け入れるべきだったのだろう。フィジークとの国交が決裂し、その上でフィジークがビルダー帝国と手を組んだ場合、レプチンの滅亡は確実だから」
俺達は頷いて同意を示す。
「しかしレプチンは
そこでトシミ教皇は賭けに出た。レプチンだけでなく全ての
うーむ、理屈はわかる。ただし疑問がある。ミーツ氏はどうやって今言っていた事を知ったのかという点だ。
「何故私がここまで内情を知っているかに疑問を持つかもしれない。しかし今はそれについては説明しない。後でまとめて説明するので、今は取り敢えず話を聞いて欲しい」
まさか俺の思考が読まれたなんて事はないよなと一瞬思う。しかしそう言うならもう少し、大人しく話を聞いておこう。
「しかし完全にトシミ教皇の思い通りにはならなかった。
トシミ教皇は
お伺いとは本来は神に決定の全てを委ね、決定力の行使に全面的に従うという事を意味する儀式。故に参列し式にて神に宣誓した者は全て自らの意思を刈り取られ、神の先兵と化した。
トシミ教皇も神の先兵として意思を刈り取られた。そして神の先兵たるトシミ教皇は
なるほど、これが現在の状況に対する
「
シュウヘが聞いた。きっと俺達が気になっているだろうと気づいたからだろう。
「そちらはもう一人の案内役がする方が適切だろう」
もう一人か。そしてそちらは
何となく誰が来るのかわかる気がする。ミーツ氏はシュウヘ達の師匠だった。そして俺とサダハルに共通する師匠と言えば一人しかいない。
まだ俺の気配探知の範囲にそれらしい
だから確認を兼ねて、俺はミーツ氏のステータスを視る。
『ミーツ・グア・キモト 23歳 身長183.1cm 体重127kg
筋力※※※ 最大※※※
特殊能力:隠匿2+ 回復1+ 神の残光5+』
間違いない。俺の予想通りの能力が入っている。
ならば聞いてみるべきだろう、この能力が何かを。
「ミーツさんにお伺いします。神の残光という能力は何を意味しているのでしょうか?」
「神の力を自らの身体に宿らせ、顕現させる能力だ。神の力をどこまで宿らせるかは様々。しかし最大で発動させた場合、神の意識をかなりの部分まで取り込む事が出来る」
なるほど。ならばだ。最悪の事態に備えて聞いておこう。
「続けてお伺いします。顕現可能な力はどのような種類ですか。神力と言えるような超常的なものを含みますか?」
何人かの表情が変わった気がした。俺がこの質問をした理由に気づいたのだろう。
ミーツ氏は表情を変えずに答える。
「むろん神力も使える。ただし前に立ちはだかる者が人間としての力で挑んでくるのなら、おそらく神力は使うまい。同種の力のみを使って神としての力を示そうとするだろう。
ひょっとして君は彼女に、814年にあった戦いについての真相を聞いているのだろうか?」
予想外の言葉が出てきた。
814年にあった戦いの真相!? 何だそれは。
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