第25章 ブートキャンプの日常
第111話 本日の訓練
昨日は体力測定だった為、本格的な訓練は今日からとなる。
最初は芝生のグラウンドに全員集合。そこで本日の組み分けと訓練メニューが書かれた紙が配られた。
前でガチムチなイタロ指導員が説明する。
「今日からは毎朝こうやって班分けと訓練メニューが書かれたカードを配る。この班分けは昨日の体力測定を元にして訓練効率があがるよう、組み合わせたものだ。
各班指導員は後ろに整列して貰った。右から第1班、第2班と第10班まで並んでいる。あとは各班の担当指導員の指示に従ってくれ。
それではここは解散。各班指導員の元へ集合」
配られた班分けによると俺は第1班だ。担当はフィリペ指導員。ここへ来た当日にビーチレスリングを戦った2人のうち1人だ。
そして班員は俺を除くと、
○ カズヨシ(東岸北部)
○ サダハル(東岸中南部)
○ ニール(東岸中南部)
○ ソウ(東岸中南部)
○ ハツヒコ(東岸中南部)
○ ヤスシ(東岸中南部)
○ ニエベス(西岸北部)
○ ロドニー(西岸北部)
○ ナリマ(西岸中部)
の9人。
顔見知りが多い。なんとなくどういう組み合わせかは理解出来た。おそらくは男子の強い順か、
なおカズヨシ以外、申し子だの破壊者だの勇者だのといった神絡みの称号持ち。そうやって見るとカズヨシの寝技王という称号が非常に平和的に見えてしまう。別の意味で危険な称号ではあるのだろうけれど。
サダハルやナリマ、ニールはステータス閲覧能力がある。つまりニールにもナリマの初級使徒やニエベス、ロドニーの申し子疑惑という称号が見えているだろう。
その辺、多分大丈夫だろうとは思うけれど、若干不安ではある。
さて、カードに書かれた第1斑の訓練メニューは、
『1 指示、準備運動
2 第1班独自演習
3 講評、整理運動』
と極めてシンプルだ。何をするのかこれだけではわからない。
個人的には模擬試合で皆さんの実力と戦い方を知りたいところだったりする。
バトルジャンキーと言わないでくれ。ビルダー帝国の筋肉貴族の順位戦だって基本的には模擬試合形式なのだ。
だから戦ってで自分の実力がどれくらいなのか、どこまで通用するのか確認したいというのはむしろ正義。少なくともビルダー帝国的な考え方ではそうなる。
「それでは第1班の指示をはじめる」
ニールの動向を観察しつつフィリペ指導員に注目。
「この班は
どうやら予想通りのようだ。なお説明は更に続いている。
「それぞれ、得意分野と苦手分野がある。普通なら苦手分野を底上げするところだ。しかしそういった訓練なら自分の地域に帰ってからでも出来るだろう」
おっと、そう来たか。ここは予想外の展開だ。てっきり弱点克服とかそれぞれが知らない技の練習なんてのを予想していたのだけれど。
「今回は折角のブートキャンプだ。普段会わない同レベル、高レベルの
折角の機会だ。ならば相互の能力や戦い方を戦って、見て学んだ方がよっぽど有意義だろう」
それぞまさに俺が望む訓練だ。よしよし。
「だから今回の訓練では概ね2回ずつ模擬試合をして貰う。組み合わせは直前に発表する。
今日の訓練の事前説明は以上だ。それでは準備運動を兼ねて移動する。ついてきてくれ」
フィリペ指導員、そう言っていきなり走り出した。しかも結構強烈な加速で。
でもミトさん達の無茶加速に鍛えられた俺の脚力なら問題ない。ただちにダッシュをかけついていく。
走りつつ皆さんの
それにしても何処まで行くのだろうと思う。既に合宿所の東門を出て、旧街道を東へと向かっているのだけれど。
◇◇◇
「まさか準備運動からいきなり30km走とは思わなかったよな」
「ああ」
しかも途中区間はほぼ150km/hで走っていた。ミトさん達に散々鍛えられた俺やサダハルはともかく、他の
例えば持久と耐久の値があまり高くないイストミアの皆さんなんかは結構へばっている。ソウだけは割と平気なようだけれど。あとは俺の目の前にいる寝技王もそこそこにお疲れの様子。
ただ
『ニエベス・アントウニア 筋力75 最大98
特殊能力:回復2+ 隠密2+
称号:
なるほど、筋力や
もう1名、ロドニーはどうだろう。
『ロドニー・アルフニーダ 筋力70 最大94
特殊能力:回復2+ 隠密2+
称号:
ほぼ同じ傾向だ。どうやら隠密と回復デフォルトのバランス型というのが『
「身体が暖まっただろうから訓練開始だ。まずはサダハルとナリマ、やってみてくれ。
なお試合場はこの第三グラウンド全域とする。試合以外の
おっと、いきなり
どちらもかなり強いのはわかっている。どう戦うのか、じっくり観察させて貰おう。
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