第61話 教団急襲
「ここは任せて行ってこい。そっちの方が遠い」
今後の門の警備体制が非常に気になる。多分第二
しかしそう言われては仕方ない。
「ではお坊ちゃま、行きましょう。こちらです」
俺はリサとともに
「ところで慈務とはどういう場所なんでしょうか」
一般的な知識には無い場所だ。本部教会のホールや礼拝堂、一般
「教団の高位聖職者が住む場所です。礼拝堂の北側にある一般信徒が立ち入り出来ない
「それなら素直に入る事は出来ないのでは?」
「ええ。第二
なるほど。しかし俺には
きっと隠蔽を使っているのだろう。リサだから気づけるというだけで。
リサは門の前を通り過ぎ、大きめの家の門扉前で立ち止まった。
「到着しました」
門扉の中でさっと
門扉が開く。マントを羽織った
そして50代後半くらいの小柄な男性が前に出てきた。
「久しぶりだな、リサ。まさかメイド服姿というのは予想外だったが」
「ご無沙汰しております。本日はよろしくお願いいたします」
「ああ。つもる話もあるが、とりあえずは後にしよう。そちらの少年への自己紹介もな」
どうやらこの男性がガストロック伯爵のようだ。俺は一応頭を下げておく。
それにしてもこの一団、全員が
ただ
「では参ろうか」
ガストロック伯爵、リサ、俺と並んで先程通り過ぎた門へ。他の団員は俺達の後ろを2列縦隊でついてくる。
門の前でガストロック伯爵が立ち止まった。
「夜分失礼する。第二
警備担当諸君、門を開き給え」
ガストロック伯爵は門番4人全員に聞こえる程度の声でそう告げ、そして身分証を提示する。
「正門へお回り下さい」
「これは法に基づいた正当な権限である。門を開き、我々を通した給え」
「現在はこのような時間ですので、こちらでは受付をしておりません」
「これは法に基づいた強制権限である。再度宣告する。門を開け、通し給え」
「正門へお回り下さい」
門番、通す気は無さそうだ。
「ならば法に基づき、抵抗を排除し強制執行をさせて貰う。この時点より法に基づく強制執行を開始。破ッ!」
伯爵の
門番4名はあっさり倒れた。更に閉まったていた門扉が壊れて向こう側へと倒れる。
これってやりすぎなのではないだろうか。門番を倒したなら扉を壊さずに開ける方法くらいあっただろうに。
「1班と2班はついてきてくれ。3班は後続部隊の為にこの門と倒れている警備員を確保」
「了解」
「では行くぞ」
ガストロック伯爵とともにリサが走り出す。この中の地理がわからない俺はひたすらリサについていく。
同行している筋士団員は14名程。
広い運動場を突っ切ってごついログハウスへ。鍵がかかっていても鍛えられた筋肉には抗し得ない。バキッとぶち壊して中へ。
トレーニング機器が並んでいる中を更に先へ。もう一つ鍵がかかっている扉を壊して更にその先へ。
廊下の先、警備員2名が立っているのが見えた。
「
「不審者!」
確かに状況的には不審者そのものだよなと俺は思う。しかしビルダー帝国の法律上はこちらが正しい。
すっとガストロック伯爵が加速した。一瞬で警備員2名の真横へ到達し、両手で左右に突き飛ばす。ついでに扉を蹴飛ばして破壊。
扉の先は廊下と昇降口。
「3階です」
リサが教えてくれたので3階目がけてジャンプ。そして更に廊下を行き、右に曲がったところで。
不意に前方に大きな
「何事ですかな、このような夜中に」
60歳くらいの小柄な老人だ。何者だ? そう思った次の瞬間。
「
老人、いきなり
「フロント・ダブルバイセップス!」
ドグワァァーン!
老人との中間地点の空間が爆発した。廊下にある窓が外側へ吹き飛び、更に窓枠周辺の壁が崩れる。
老人、リサ、そしてガストロック伯爵の
強大な
「デキスター・ジャクソン総司祭とお見受けする。私は第二
ガストロック伯爵がそう宣言する。
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