第14章 強制執行
第57話 合流、そして裏話?
「それではこの
訓練は終わった。しかし何気に難しく厳しい注文がついてしまった。
ただこの訓練、意味も効果もあった。そう俺は感じる。
わずか30分の訓練で俺はわかるようになったのだ。リサが常に
今もそうだ。
サトウリアス男爵の
さて、大きな
しかし人数は父を含めても7名だけ。敵地へ乗り込むのにこの人数で大丈夫なのだろうか。
「人数が少ないのは直接筋肉審判の疑いを避ける為でしょう。おそらくは協力者を確保出来たという事でもある、そう私は判断します」
そう言えば訓練前にリサが言っていた。第二
ならばこの人数というのは正しいのだろう。それに父以外もそれなりの強者、少なくとも上級
そして部隊は俺達の目の前に到着した。
「まさかこんなに早く会うことになるとは思わなかったな。さて時間がない。話は走りながら聞く。そこの男と証人はこちらで運ぼう。リサはスグルを頼む」
「わかりました。ありがとうございます」
問答無用でリサにお姫様抱っこされてしまった。
なお背負子に縛られたケーリーや倒れたままのサトウリアス男爵もそれぞれ父と同行の
筋肉ムキムキゴリラマッチョ体型のサトウリアス男爵をやはりゴリラマッチョ体型の
なんて思ったところでいきなり加速が入った。あっという間にとんでもない速さに達する。先程俺達が走っていた速度より早い。
「第二
「第二
「少なくとも第二の方は信用していい。エリウドは現教団の方針や
ちょっとほっとする。ミトさんのところとは敵対したくない。
「それにしても
えっ、予言!? どういう事だ?
「預言やお坊ちゃまのせいではありません。今回は運が悪かっただけです」
「勿論スグルが悪いわけじゃない。あくまで巡り合わせだ」
「ええ。ですが、そろそろスグル様にお話をした方がいいのではないかと私は思います」
えっ? リサが何かひっかかる言い方をした。
「まだ早いだろう。初等部
「それでも既に教団からは目をつけられています。安全の為にも本人が知っておいた方がいいでしょう。お坊ちゃまにはその位考える能力はもう充分にあります」
「どう、いう、こと、です、か」
今の姿勢だと前方からの風圧が厳しすぎる。普通に話すのは俺には無理だから、喋るのはこの程度が限界だ。
「……
リサが俺にそう質問する。何が関係あるのだろう。そう思いつつも俺は答える。
「なな、きゅう、ななねん、あきの、たいさい、です」
この前
しかし798年の春の大祭の前に教会から発表があったらしい。
故に
「公式にはその通りです。ですが実際にはその後798年1月に
798年春の大祭に
なら秋の大祭から顕現が無い事の告知までの間に、預言なり顕現なりがあったと考える方が自然だ。そう考えて俺は納得する。
「ここからは余談で私自身の話になります。
私は798年の冬生まれです。そして
結果、私が何かを行うと、『あれは
なるほど、リサにはそんな事があったのか。そしてそれが第一
「私自身には
ただ、それだから預言というものが面倒な事を産むことを人一倍理解しているつもりです。
でもだからこそ、自分の事として、必要な情報は知っておいた方がいいと判断します。お坊ちゃまは6歳ですが、もうそのくらいの知識や思考力はお持ちですから」
リサの境遇について色々考察したくなるが、とりあえず今は後にしよう。
今のリサの言葉は俺に過去を考察させる為では無い。父に対して、俺について何か隠している事を言うべきだという意味のように感じるから。
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