第52話 アツい事情聴取
「最後の質問。所属していた組織の拠点を知る限り教えて欲しい」
無言、寝たふり。うん、予定通りだ。これでやっと俺も次の行動に移る事が出来る。
それでは次の行動に向けての口上を述べさせて貰おう。
「さて、ここまで僕が紳士的に質問しているのにかかわらず、ケーリー先生は寝たふりで全てごまかし通しました。ですので仕方ありませんが次の方法に移らせていただきます。
ところでビルダー帝国では拷問は禁止されています。そして国法では拷問は『肉体的自由を奪った上で、肉体的・精神的に痛めつけることにより、相手の意思や尊厳を破壊し、加害者(拷問を行う側)の要求に従うように強要する事』と規定されています。
このうち『肉体的・精神的に痛めつけること』とは国法解釈規定により『ビルダー帝国刑法第174条~第179条、第204条~第205条、第222条、第249条、に触れる行為』とされています。これらは肉体に加える暴行、傷害、脅迫、そして『わいせつ、強制性交等及び重婚の罪』についての規定です」
さて、ここからが日本の法律とビルダー帝国の法律の違う点だ。つまりこれから俺がやる行為がビルダー帝国的には拷問にならない理由。
俺は相変わらず寝たふりをしているケーリーに対し、説明を続ける。
「暴行や傷害は肉体に苦痛を与える事、脅迫は肉体的精神的財産的な害意を表明する事、『わいせつ、強制性交等及び重婚の罪』は異性に対して性的な行為を同意無く強制的に行う事です。
だから同性が性的行為の快感を使用する行為は、ビルダー帝国の法律には触れない行為となります」
この理屈は日本では通用しない。こういった抜け穴は防がれているから。しかし此処はビルダー帝国だから問題ない。
さて、
そのうち1本に『イカせ隊に体中を弄られ責められアッー! する』という内容のものがあった。だから身体の何処をどうされると反応してしまうのか、俺は身をもって学んでいる。
それでは性の経験が浅いであろう原理主義的宗教分派構成員に、変態宗主国日本が生んだテクニックで悶絶して貰おう。
「開始です。まずは……」
◇◇◇
「貫け!
アッ! アッ! アアッー! ウッ!
最後まで事情聴取に応じてくれたお礼として思いきりいいフィニッシュで終わらせてやった。
奴は椅子の上でぐったりして動かなくなる。やはり性的に軟弱だ。6歳児に記録用蝋管1本分に満たない時間攻められてただけでこうなるなんて鍛え方が足りない。
それにしてもこの椅子、尻の部分に穴が空いている便利仕様だとは思わなかった。まるでス○ベ椅子、いやそれ以上だ。おかげで後ろから貫通攻撃をする事が出来た。ヤる方の俺は多少無理な姿勢になるけれど。
さて、それはそれとしてだ。ケーリーの吐いた内容、思った以上にヤバかった。
敵はツィーグラー派残党なんてレベルではなかった。
教団がツィーグラー派残党を吸収したのか。それともツィーグラーによる直接筋肉審判事案が実は教団の意思そのものだったのか。現時点では確認出来ない。
しかし今動いているのはまぎれもなく教団本体だ。ケーリーの供述によれば。
そして第一
父や第三
俺を襲撃した理由も教団からの命令。
破壊者とは神の恩恵を身に宿しつつも神を疑い、やがては神と敵対する
教団はこの破壊者を探し出し、力を持つ前に処分しようとしているとの事だ。
しかし教団は俺こそが破壊者ではないかと疑っているようだ。
元々俺が目をつけられたのは図書館の閉架書庫から一連の本を請求した事からだ。
最初の襲撃はこの事から俺を
何というか迷惑な事だ。
ただ一つだけ聴取内容で安心出来た事がある。ミトさん達についてだ。
襲撃したのはあくまで俺と一緒にいたから。ミトさん達まで
とりあえずミトさん達が狙われる心配がない。何というか救いはそれだけだ。
さて、今回の事態は大きすぎて俺の手に余る。
本当は事情聴取して状況を確認した後、ケーリーの身柄を第一
仕方ない。ひととおり片付けたらリサに相談しよう。何から何までリサに頼りまくっているが仕方ない。俺は6歳の
なおメイドにすぎない筈のリサがあちこちに強力なコネなり何なり持ってそうなのは不問とする。
とりあえず俺は楽しい事情聴取の後片付けにとりかかる。楽しみすぎて色々汚くなってしまった。体液やその他色々まみれ状態だ。防水シートを敷いてあって正解だ。
ひととおり片付けて空気を入れ換えたら、風呂に入って一通り身体を綺麗にしておこう。
ケーリーの方も椅子ごと持って行って汚物その他を流してやる必要がある。今のままではちょっとアレだから。
◇◇◇
掃除をして、風呂に入り、気絶したままのケーリーも洗って。
その後は蓄音機2つをつなげて編集作業。嬌声部分をカットしたものを作成。
蝋管式蓄音機は記録部分が目で見えるから編集がやりやすい。鍛えた目には溝のカッティング部分を見るだけでもある程度は音量がわかったりもするし。
なおケーリー氏は気絶から熟睡モードに入った。きっと慣れない初体験で疲れたのだろう。そこで熟睡に入るというところに何というかタフさを感じる。
さて、それではリサに頼むとしよう。リサがいるリビングに顔を出す。
「リサ、すみません。ケーリーの身柄を第一
理由についてはこの聴取記録を聞いて下さい。必要部分だけ編集して入れています。こちらが原本です」
細かい説明をするより聞いて貰った方が早いだろう。そう判断した俺はリサに蝋管2本と蓄音機を渡す。
■■■ 蛇足の用語解説 ■■■
● かつて俺がビデオ出演で
深く追求しない方がきっと正しい。それでも気になる方は『サイクロップス先輩』で検索……
● 蝋管式蓄音機
円筒表面に針で音を記録するタイプの、地球でも1900年頃に一般的だった録音再生装置。このアナボリック世界では一般的に使われている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます