第3部 潜んでいた敵
第10章 敵影
第38話 隠匿
肉体的精神的疲労だけではない。筋肉痛も酷すぎた。いくら俺の筋肉が特別製でも限界を越えていたようだ。
結果、俺は実習から戻った翌日の午前中まで動けなかった。
しかし使い切った筋肉は充分に休憩をとる事で超回復する。おかげで俺の筋力その他のステータスはそこそこ上昇。
『スグル・セルジオ・オリバ 筋力72 最大99
特殊能力:回復5+ 持久5+ ステータス閲覧 前世記憶』
これでもまだサダハルの方が上だ。でもそれは仕方ない。奴とは恩恵が同じ上、年齢差は3年あるのだから。
さて、折角超回復したのだ。本当はこの筋力を試しに魔物討伐に出向きたい。しかしリサによると
「走って1時間程度のところに中級
ならお試し討伐は諦めるしかないだろう。
しかし他にもやりたい事はある。シュウヘは言っていた。
『
この『嘆き』とは『
考えてみれば裏付けっぽい事実は幾つかある。例えば父マユミから前に聞いた言葉だ。
『これはGLUとの協定だ』
『もちろん全ての
『結べるかどうかは
相手を信頼できないなら神の名で協定を結んでも信頼など出来ない。神の名の下に平気で協定を破るだろう。地球の西洋史に実例が山ほどあったりする。
つまり
あと実際シュウヘは話が通じる奴だった。奴も俺達を本気で全滅させようとはしていなかった。その気ならサダハルにとどめをさしていただろうから。
しかし一方で俺の知っている範囲では普通、
この違いは『嘆き』派と『殲滅』派の対立構造と似ている。そう俺は感じるのだ。
そんな訳で俺は『
帝立図書館はビルダー帝国最大の図書館。出版されているほぼ全ての資料を蒐集し保持している。調べ物をするには最高の場所だ。
貴重な資料が多い為、13歳未満の児童は本来帝立図書館に入る事は出来ない。ただし帝立学校の
俺は受付で
さて、まずは百科事典で確認だ。
『
◇◇◇
2時間ほど開架書棚をうろうろした。しかし『
なおかつ俺は微妙な違和感がある。どの本も思想が偏っているのだ。
『
『
つまり俺が以前は普通と思っていた、父の話やシュウヘと話した感想とは異なる方向に。
誰かが何かの意図をもって、
少し考えて思いついた。隠してあるだろう場所からそれらの本を取り出す方法を。
ここは開架書庫だ。置いてある本はどれも自由に手に取って読む事が出来る。これが図書館では無く本屋だった場合、棚に並んでいる本が読める本のほぼ全て。
しかしこの図書館には閉架書庫がある。帝立図書館の場合はそちらの方が在書数が遙かに多い。きっと今の俺が探している本はそっち、閉架書庫の方に隠されている。廃棄とか焚書とかしていなければ。
そして閉架書庫の本は特別な事情がない限り出して貰う事が出来る。入口近くにあるカード目録で該当の本を探し、受付カウンターで請求するのだ。
それではカード目録が入っている棚が並んでいる検索コーナーへ。まずは素直に
『
1時間近くカード目録をたぐった結果、関連がありそうな本をある程度ピックアップすることが出来た。
『神々との対話』、『
ピックアップした方法はこんな感じだ。
まずは
たとえば『
しかし何故No.142以前が閉架書庫なのか理由がわからない。年数的にも冊数もきりがいいとは感じない。
これはNo.142に何か開架に置いておけないような事が書かれているのではないか。もしくはNo.142に近い140とか141とかに。そういった推理が可能だ。
同様に他の研究資料や記録も同じだ。微妙に不自然な号で仕分けられているものが多い。
そしてこれらが開架から閉架へ移った時期を確認。どれもがほぼ同じ時期に集中している。これでこれらの本を隠した時期がつかめる訳だ。
更に
全部で24冊ほどピックアップ出来た。さて、それでは受付カウンターで請求をしてみよう。1回につき出して貰える数には限度があるから、まずは怪しい順に5冊まで。
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