第6章 野外学習準備⑴
第20話 はじめての学校行事
学校での通常の授業や
それでも近いレベルの相手が大勢いるのは楽しい。だからついベンチプレス対決とか腹筋ローラー耐久なんて事もしたりする。
やった後は酷い筋肉痛を起こして後悔するのだが、回復するとついまたやってしまうのだ。
ただ俺達がいるのは最優秀の
こちらは学習内容も
そして俺の筋肉は
おかげでこの補習も辛いと思う事はない。
ミトさんやサダハルも一緒だし。
また学校帰りミトさんの家に寄って、サダハルも含めた3人で
ミトさんの家はロイシンの街にある僕の家とほぼ同じ大きさ。トレーニング機器も揃っている。ロイシンの家にある機器と比べるとやや下半身重視に感じるけれど。
またミトさんの要望で
当初サダハルは
「人間型の相手に対しては確かに有効だな。でもいちいち相手を崩したり、手の形を考えたりするのは面倒じゃないか? 最大筋力で最大の
つまり
「それはサダハルが自分より筋力が大きい相手と戦った事がないからです。筋力が自分より大きく体格も上の相手と戦う場合、速度だけでは限界があります」
まあミトさんがそう言うから。そんな理由で研究したり練習したりしている訳だ。そしてミトさん、こだわり出すと結構細かい。
例えば俺とサダハルが一本背負いを練習していると、こうチェックをしてきたりする。
「ちょっと待って下さい。スグルの今の一歩はもう少し踏み込んだ方がいいと思います。相手の下に潜り込んで持ち上げる。その事を意識して下さい」
まあこんな感じで。実際その通りにすると技が決まりやすかったりするのだ。
そんな日々が続き、俺もなんとか
野外実習についての発表があった。
「ヤー! 今日は5月15日から行われる野外実習について説明する。5年の時の野外実習と違い今度は街壁の外、魔物が出るエリアで実戦ありの実習だ」
担任の言葉に教室内が一気にどよめく。
俺自身は休日にリサと魔物討伐に出かけたりする。だから壁の外はそう珍しくない。
しかし普通の
○ 他の街に行く等特別な場合に限り
○ 護衛を数人雇った上で
やっと出かけられる場所。
だからきっと皆、壁の外に対する憧れに似た気持ちがあるのだろう。かつて僕が壁を飛び越えて脱走する前と同様に。
あの頃の僕よりクラスメイトの皆さんは強い。ゴブリンやコボルト、スライム程度なら瞬殺だろう。だから恐怖より期待が勝る訳だ。
「先輩たちから聞いて知っている者も多いと思うが概要を説明する。場所は西門を出て、人力車を引いて2時間ほど走った場所にあるプロリン平原だ。
5月15日から17日までの2泊3日。初日に臨時拠点を設置。翌日から周辺の魔物や魔獣を討伐、最終日に拠点を撤去して戻ってくるという日程だ。
当然のことだが拠点設置に必要な資材は学校から持って行く。穴を掘ったり木や石を組んだりするのも、食事を作ったりするのも
拠点を組むのか。なかなか面白そうだ。
勿論授業で事前学習はしている。カット済みの丸太や板、石材を使って建物を組み上げるという訓練もした。魔物や魔獣対策で堀を掘ったりなんて事も学習した。
なお現場で宿泊施設を組み上げる事について、
『テントのような持ち運びが楽な道具は使わないんだな。テントなら持ち運びだけで無く設営も簡単だろうに』
『魔獣や魔物に襲われたらひとたまりもないだろう、そんな建物じゃ。安心して寝ることが出来ない気がする』
そんな柔な物、とても安心して使えないと思うのだ。
『運びやすい事が重視されていたんだ。敵に対しては見張り番を置くことで対処する』
『敵に対抗できる人数が起きていなきゃならないなら、日中活動できる人間が減るだろう』
『そこは交代で睡眠を取ることにして解決する訳だ。3時間交代で3当番とか』
『それでは睡眠時間が減って身体に悪いだろう』
何というか
「それでは野外学習の前に決めておく事について説明する。
まず決めるのは5人1組の活動班だ。資材運送、魔物討伐、食事調理等全ての活動における最小単位となる。そのことを念頭に組んでくれ。
それではこれから20分間、班分けの時間とする。パワー!」
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