第12話


「さて、シュウくん、アキくん、航太…何して遊ぶ?」


航太が作りかけのカルタを指差す。


「皆でカルタを作る?」


「うん、やるー!」


「やろー!」


「じゃぁ、この前航太とあの段といの段をやったから、今日はうの段とえの段とおの段をやろうね」


3人はジャンケンをして、それぞれの割り当てを決め、好きな絵を描く。


ひらがなの五十音の表と見本の絵を真剣に3人は見て、思い思いの絵を描く。


「アキくんは鉛筆か…航太は…航太を描いたの?」


ふたりは頷く。


シュウが笑いながら絵を描いている。


「シュウは、うんこだー!!」


シュウの絵を見て、アキが叫んだ。


「あはははは…」


3人は色鉛筆を交換しながら、描いている。


「同じ段ばかりだと飽きちゃうから、今度は違う段にしようか?」


描き終えた絵をチェックして、五十音の表にしるしを付ける。


「しるしがついていない文字から始まる絵を好きに描いて良いよ」


3人は、次はこの字の絵を描くよと言って、それぞれ描いた。


宮島は、描き終えた絵を見て、読み札を書き、作っていく。


うんこがね、もりもりでたよ、ウンチくん


こんな調子で読み札を作る。


ママ達がワイワイ喋りながら帰ってきた。


早速、料理を作り始める。


宮島は、子供達とママ達を眺めながら、ニコニコ笑っている。


料理の合い間にナッちゃんが飲み物を持って来た。


「あっ!うんこ!これ、絶対にシュウが描いたんだろ?」


「あはは…」


子供達は笑ってる…。


「シュウ、もっと真面目に描けよ!」


ナッちゃんはそう言い、キッチンへ戻る。


キッチンでは、海苔を切り、ウィンナーに切れ目を入れ、人参やハムを型抜きしていた。


今日は練習なので、くまさんのキャラ弁を3人共作ることにしたみたいだ。


流石は長年、主婦をやっているだけ、ナッちゃんもまーちゃんも手付きが良かった。


細かな所を美紀が説明しながら、やって見せる。


「おぉ〜美紀ちゃんすげぇー!」


「海苔で顔を作るのは、指でやるより箸かピンセットが良いのね…」


可愛いい3つのキャラ弁が出来た。


余ったおかずとオニギリを皿に盛って、大人達の食事の用意も出来た。


「さぁ、片付けてご飯にしよう!」


「じゃ、残りはまた、今度にしよう。出来たやつだけ、後でカルタをしようね」


テーブルに所狭しと料理とキャラ弁と飲み物を置き、皆で食べた。


ワイワイ喋りながら、皆で食べた…。


「ねぇヒデちゃん、こんなに楽しいなら、また、皆でご飯作って食べようよ」


「いいね!今度は食材持ち寄ってやろうよ!」


宮島も美紀も笑顔で頷いた…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る