㊲ 猫
猫の絵を描くために猫について書いてある書籍を探した。
古典的な本は少々値は張るけれど、日本らしい絵で目でも楽しめる。
猫という生き物は昔は蚕を守るため、畑の作物を守るため、モグラなどの小動物からだろうか。書物、穀物を守るため、ネズミからだろうか、飼われていたらしい。
何時の時代も飼う。ということが趣味だの玩具だのじゃなく役割があるのが良い。
平安時代は愛玩物唐猫として中国から輸入されていたらしい。上級社会では農作業をする忙しさもないから趣味の猫という発想があったんだろうな。
猫は日本の動物では無いのか…縄文時代にはいなかったということなのかな?それとも唐猫という種類が好まれて輸入されたのか…
苗はミョウと読む。鳴き声と同じだ。苗を守る獣として猫になった説という説もあるもある。
日本語は語源が分かるものはそこに意味があって面白い。文字の形から音からたくさんの要素で事柄が成り立つ。そう言えば寝る子と言う意味のねこも前に聞いたことがあったな。
世界中からも愛されている猫だから、説も色々。エピソードも色々。
最近書いた「バイオリン工房カッツェン」も猫と工房主のやり取りを描いた作品だ。私の大好きなバイオリンと若者。先住猫が居ると聞いて、猫に馴染みのない若者が共存しようとする心温まるお話だ。他にも「灰色の目の猫」絵本ブックの「やっぱり猫は猫」などの作品がある。日常に猫のいない私は書きたくても身近にはいなくて、書物に頼るしかない。
若い頃、陶芸作家さんの手伝いをしていた頃がある。家には3匹の猫がいて、いつも何処かで寝転んでいる。作品にも猫をモチーフにしたものが多く、先生にしてみれば猫は生活に欠かせない存在。とても大切にされていた。
私は子供の頃から猫は苦手で、大きな猫がそばにくつろいでいるとこっちは全然リラックス出来ない。完全に向こうが立場が上の仕事場だった。
苦手では有っても猫は魅力的だ。圧倒的に個性を放つ存在。車の前を通るだけでもいったん止まって厳かに通り過ぎるのを待つ。猫がいれば目で追う。色も気になる。犬の散歩に出かけても向こうは自由な自然の生き物。こっちはリードのついた飼い犬。格が違う。黙って通り過ぎるのを待って帰ってくるしか無い。
私の中では「お猫様」なんだな。風格が漂う神々しさ…
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