⑬ 桜
今年の春は暖かい。夏日を思わせる気温の高まりとともに桜は目を覚まし、早々と三月の中頃から咲き始めた。
この分じゃ入学式にはもはや葉桜になってしまうと誰もが空を見上げて嘆く。そんな日がここ数年続いている。
入学式には桜。毎春、自分が日本人だと改めて思い知らされる懐かしき感性の遺産。
いつの時代もそのシュチュエーションで春を感じ、進級をお祝いしてきた。
満開の桜をバックに子供と撮った入学式の写真は古臭くて懐かしい。
ハンを押したような笑顔が痛々しくも有る。
ばか騒ぎしないはずの日本人が真昼間から酒を飲み、歌って騒いでその日を満喫する。
外国の人からするととっても不思議な光景でしょうね。
日本人が浮かれるって本当ですか?
外でお酒を飲むのも駄目な国があるらしい。ビニールシート敷いて美味しそうなご馳走並べて、なんて以ての外なのでしょうか…
この桜を見るためのツアーがあるって、満員でなかなか取れないって、外国の人が日本人みたいに桜を見て美しいと思うなんて、そんな気持ちが広がっていってるなんて…平和で、素敵だね。
酒盛りはどっちでも良いけど、お花見は好き。美しい桜を眺めて幸せそうに集う姿は嫌じゃ無い。
桜の花にもいろんな色があって、その色を確かめに外に出たくなる。桜の咲くシーズンはそろそろ外に出る時が来たよって知らせてくれる時期なんだね。
今年は、冷え込みも無くて咲き誇る桜をゆっくり鑑賞できました。
夜道に大きな枝を見つけて、たわわに咲いた薄紅色の花びらの塊に驚く。桜はかくも美しい。
これも桜だったんだね。咲いてみて初めてわかる桜の木。
今年も咲いてくれてありがとう。
桜は日本の木なんだね。
この後、人が浮かれ出す時…桜は散り始める。顔にかかる桜吹雪に何かを思い出して切なくなる。
花に風と言うように、理りのようにちゃんと吹く強い風。
起承転結の申し子のような桜舞台。
毎年自然の中で日本人は物語を愛おしむ。
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