⑦ 家ご飯

ご飯を作るのが好き。でも、食べるのは、さほど好きじゃ無い。

これは、娘に言わせると不思議な現象らしい。

普通は食べるのは好きだけど作るのは嫌い。

「私は作るのは嫌。面倒臭い。」と投げやりに言う。

そうかな、作っていると楽しいよ。

家族がいると、食べてくれる人がいるから台所に立って張り切る。だけど、今は家族バラバラ、食べる人はお世辞を言う事に関心のない魔法使いだけ。

ご飯は家で食べるもの。奥さんはご飯を作る人。と言う古典的な夫ではないので私は食事に拘束されない。外食が好き、飲み会が多くて夕食を家で食べない。

こう言う現状では、作るのが好きでも発揮する場所がいよいよない。


お昼はちゃんと作る。具沢山味噌汁と他一品。肉巻きを作ったり、煮物をしたり、今はノンオイルフライヤーに凝っていてケーキを焼いたりもする。計量、調理、焼き、合計30分でパウンドケーキを焼き上げる。

夜は基本、軽めに済ますか甘酒を飲むくらいでやめている。

夜食べるとたちまち太るからね。

食べるって切ない。何一つ良い事がない。体調を崩すし、胃にもたれるし、頭痛が始まる。

今時の外食はカロリー多めで一食で直ぐカロリーオーバーになる。基本ご飯は持ち帰る。鞄の中にジップロックが常備してある。

なるべく家で食べて摂生したいけど気を抜くとプクプクしてくる。

野菜は食べても太らないことにしている。根菜を多めに繊維質をたっぷり獲って糖質と相殺する。

だから、私の料理は野菜ばかりだけど家族は喜んでくれる。

「お母さんの料理はどれも美味しいよ。」と娘は言う。

でも、娘はなんでも美味しいと言うから信用して良いのかな。と疑う。

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