わかってるの！あと10分ができれば、なの！！

わかってるの！あと10分ができれば、なの！！

　小さい頃から驚くくらいに朝に弱かった。学校にあがれば遅刻ギリギリ（ギリギリ、っていうのがミソ。遅刻じゃない）だし、社会人になってもそれは変わらずで、本当はあと1本早い電車に乗るべきではあるんだろうけど、実際その電車で間に合っている現状があって、どうしてもそのあと１本早い電車に乗る、が出来ない。

　頭ではちゃんと理解はしているんだ。朝、あと10分早めに起きだせばもう少し余裕を持てること。20分早く起き出せば、朝食をほとんど飲み込んで、なんて食べ方をしなくていいこと。30分早く起き出せば、時間が無くて諦める家事の何個かは、諦めず朝、消化してから出勤が出来ること。全部、理解はしている。

　……じゃ、理解しているからって、それが行動できるかっていうのは、別の話だったりするよね、って話。毎日懲りずにアラームだけは早めにセットしているけれど、何度繰り返しても覚醒するのはギリギリの時間。……Oh……ナンテコッタイ……。

　しかも遅刻ギリギリで急いでいたら、食パン加えた男子高校生とぶつかった試しなんて全くない。人生この方、朝のギリギリ生活はもう20年を超えるけど、その間1回も無い。あれは絶対都市伝説だ、そういうレベルでない。……あってくれたら面白いのに、と思うけど、実際にやってる子が居たら、それはそれで引いちゃう自分が居る気はするけど。

　とにかくまぁ、朝はどうしたって、何を頑張ったって、どう転んだって、つらくてたまらない。そう、思っているんだけど。

「でもアンタ、休日の日の朝の寝起きの良さ、半端ないよね」

　2個上のお姉ちゃんに言われてぐうの音も出なかった。『ようは平日の朝は、起きたくないだけでしょ』と言われてダブルパンチ。『起きない選択をしている、ってことでしょ』の一言、オーバーキルすぎる……。

　……もう二度と、お姉ちゃんの前で『朝がつらい』なんて零すもんか……。そう固く心に誓った、ある日の出来事。