第9話 菊川殺人事件
11月1日
楠木恒夫は菊川市にやって来た。
静岡県の西部地方(東遠地方)に位置し、市の中心を菊川が流れている。更新世にはこの周辺は牧之原と小笠山に挟まれた海であり、徐々に隆起し菊川平野が形成された。北側は火剣山に代表される山地になっており、東側は牧之原台地の一部を占める。西側には小笠山に連なる山地が張り出しており、市の中心部から南側に向けてかつて城東平野と呼ばれた菊川平野が広がっている。この地域は江戸時代にはほぼ開墾されていたが、慢性的な水不足に悩まされ、現在は大井川から取水した水が菊川市の水源になっている。旧小笠地域は静岡県内でも最も晴天率が高いという調査結果があるように、古来旱魃に見舞われてきた歴史がある。現在では田畑の都市化により、増水時の河川の流量が増え、水害の危険性は高いといわれている。
牧之原台地にある羽柴荘の年老いた資産家、
命を狙われているのを悟り、羽柴荘に滞在しており、静岡県警の楠木恒夫に助けを求める。
楠木は寛子の遺体を見て女優の銀粉蝶《ぎんぷんちょう》に似ていると思った。
羽柴荘には、最近寛子と結婚した、
楠木は、寛子の前夫の遺言により、彼女の死後は新見が羽柴荘を相続することを知る。しかし、彼女の現金資産は毎年更新される彼女の遺言に従って分配されるのであった。存在する最新の遺言では文哉が相続することになっていた。事件当日、寛子は新見か文哉と思しき人物と口論するのを聞かれていた。
その直後に彼女は新しい遺書を作成したらしいが、誰もその証拠を見つけることができない。文哉は事件の日の夜の早めに屋敷を出て、菊川市内にあるビジネスホテルに一泊した。ホテルのすぐ近くには黒田邸がある。徳川家旗本で、当地を治めた本多助久の代官となった黒田家が築いた屋敷である。
黒田家が当地に住したのは永禄年間(1558 - 1569年)とされ、黒田義則が現在地に縄張りを行い居住したのが始まりと伝える。現在の主屋は、安政東海地震(1854年)後に再建されたものであると考えられている。長屋門は母屋よりもさらに古い、18世紀中頃の建築とみなされている。当時、一般農家では門を構えること自体許可されておらず、この長屋門の規模は、黒田家が任されていた2千石の格式を示すものといわれている。
一方、寛子は夕食をほとんど食べず、書類ケースを持って早々に自室に引きこもった。彼女の遺体が発見された時、ケースは無理やり開けられた状態だった。毒はいつ、どのように盛られたのか、誰も説明できない。
捜査担当の
文哉は当夜の行動を明かすのを拒み、マールズを購入したのは自分ではないと答える。辺戸は文哉を逮捕しようとするが、楠木は文哉が毒を購入したはずがないこと、購入時の署名が彼の筆跡でないことを証明し、文哉の逮捕を思いとどまらせる。すると次の容疑者は、寛子の死で利益を得てアリバイがない新見である。辺戸はすぐに新見を逮捕する。毒薬購入時の署名は新見の筆跡であり、毒薬の入った小瓶が彼の部屋で見つかり、文哉と似た付け髭と鼻眼鏡が屋敷で発見されたのである。
しかし、楠木が新見の容疑を晴らす。楠木は、真犯人が文哉であり、充が手伝っていたことを明らかにする。
「藤堂! おまえ俺のせいにしようとしたな!?」
新見は顔を真っ赤にして怒った。
さらに充は
永倉は藤堂を買収したのだ。永倉は千葉の遺体から黒い玉をくすねたのだ。殺人教唆をしたことにより、怪物を氷結させる魔法を覚えた。
二人は寛子のコーヒーにマールズを加え、最終的に致死量にした。永倉は新見の筆跡を偽造していた。
哲也の偶然の発言により、楠木は寛子の部屋で文哉の寛子に対する殺意を記した手紙を発見する。殺人のあった日の午後、寛子が苦悩していたのは、切手を探していた時に文哉の机の中からこの手紙を見つけたからだった。寛子はその手紙を自分の書類ケースにしまい、それに気づいた文哉は彼女の死後に書類ケースをこじ開けて手紙を取り戻し、見つからないように部屋の別の場所に隠していたのだった。
悦子が羽柴荘の地下室に監禁されていた。
「どなたか存じ上げませんが、ありがとうございます」
雅恵に悦子は頭を下げた。
雅恵の正体は靖子だったのだ。
雅恵の背後にゾンビが現れた。
永倉はゾンビの首をロープで絞めて殺した。
寛子は『アルラウネ』の幹部でもあった。派遣会社の社長ってのは仮の姿だ。
新見は津田の腹を、隠し持っていたナイフで刺して殺した。
津田も『アルラウネ』の幹部だった。
「死ねっ!」
新見はさらに藤堂の背中を刺した。
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