第4話 魔性
2007年8月14日 - 第89回全国高等学校野球選手権大会、三重代表の宇治山田商業高校対佐賀代表の佐賀北高校の試合が延長15回引き分け再試合に。
同日、元ロックスターでナイトクラブ経営者でもある
宇佐美は静岡県伊東市北部に位置する。東で相模灘に面し、南で湯川、西で伊豆の国市長者原、伊豆市上白岩、下白岩、冷川と隣接する。国道135号が相模灘沿いを通過する。伊東線宇佐美駅が所在する。宇佐美漁港が置かれ、漁業を産業とする。宇佐美温泉が湧出しており、観光地としても機能している。
静岡県警の、楠木警視と宇佐美署刑事課課長の
「天童ってどことなく
「そうかな? 恵美子は西野カナに似てるな」と楠木。
恵美子は資産家でゴシップにも事欠かない美しい女で、ミステリ作家としても活動している。物的証拠などはなく、動機もわからないが、当夜のアリバイは確かではない。また、その小説に書かれている殺人の場面は、事件と極めて類似しており、それがまったく無関係のはずがない。
楠木は恵美子に警察への出頭を要請し、取り調べを行うが、彼女はミステリアスで挑発的な態度を取りつつ、事件への関与を完全に否定する。捜査陣は一旦彼女への容疑を弱めるが、楠木だけは恵美子が何かを隠していると言い張り、捜査を続けていく。警察署の外ではクマゼミがけたたましく鳴いている。
楠木はさらに恵美子の家を訪れ、激しく問い詰めるが、逆に彼女から過去の事件での失敗などをなじられてしまう。自分の記録ファイルが彼女の手に渡っていたことを知って激怒した楠木は自宅へ戻り、恋人で看護師の
ケータイで恵美子へ情報を渡した者は誰なのかと問い質す。それが内務課の
楠木は源田って
劇団以外の仕事は1975年の『娘たちの四季』が初めてだったが、唐に相談したところ「俺たちはずっと外へ出てゆかずにやるけど、お前は外でやってもいいよ」と言われ、途方もない疎外感に襲われ、精神的に唐と大きな溝が出来た。
1978年、『黄金の日日』に石川五右衛門役で出演して注目される。
なおも単独での捜査を続ける楠木は、過去の記録からこれまでにも恵美子の周囲で不可思議な死が頻発し、それと類似した場面が小説に書かれていた事実を知る。彼女を取り巻く者たちの過去にも、同じような疑わしい死が隠されていた。それらと恵美子の関係は何なのか?
また、源田の死もそうした事件のひとつなのだろうか?
楠木は恵美子の妖艶な魅力に次第に翻弄され、やがて肉体関係を持つに至るが、それと同時に謎を突き止めたいという欲求と、自分もまた小説のモデルとして殺されるのではないかという予感を覚えていた。
8月23日
海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦DDH-181「ひゅうが」が進水。
百貨店大手の三越と伊勢丹が2008年4月1日をもって経営統合、三越伊勢丹ホールディングスを設立することを発表。
捜査の中で同僚の芽依が宇佐美町内の熊野神社で何者かに首を絞められて殺される。
芽依はチャイドルの
楠木は現場の様子から一連の事件の犯人による犯行と確信し、現場にいた玲美を問い詰め、射殺してしまう。警察は、「玲美は大学時代の同窓である恵美子への歪んだ愛憎から、彼女の小説を模倣した連続殺人を犯した」という結論に達する。
晴れて無罪となった恵美子は楠木と、静岡駅近くにある楠木のアパートで愛を交わす。
交わり終え、楠木は眠りについた。
恵美子は服を着て、バックを持つとアパートを後にした。
街はネオンサインが瞬いている。
CITIZENの腕時計を見た。午後10時を過ぎたところだ。静岡駅は静岡県中部の中心駅であり、新幹線・在来線間の乗換駅としても機能している。静岡市葵区と駿河区の両区の代表駅である。
北口にやって来た。北口は静岡市の中心市街地で、県庁や市役所・区役所などの官公庁に至近の距離にある上、商店街や地下街・飲食店街に隣接し百貨店やファッション・ビルなどの商業施設が集積している。駅コンコースを出るとすぐに国道1号が面しているため、市街地へ向かうための地下道が設置されている。
天童、源田、芽依の3人を殺したのは他ならぬ恵美子だった。
8月最終日の18時までに5人を殺すとバズーカが手に入る。恵美子は『キルゲーム』という裏社会の人間が運営する遊戯に参加していた。〆切は2007年12月31日だ。1番多く殺した者が1億を手にすることが出来る。
恵美子は故郷の黒狼に戻ってきた。駅に着いたのは0時を回っていた。
実家の
上がり框に父親の
「お父さん、どうしたの?」
「おまえ、人を殺したろ?」
え!? 何でバレたの!?
恵美子の背中を冷や汗が伝う。
「どうしちゃったの? 変なこと言わないでよ」
「おまえは昔から嘘が下手だな? 小学生の時に算数のテストで0点取ったときも、ママはごまかせたけど、私は気づいていたぞ」
伝次郎は斧で恵美子を嬲り殺しにした。
「私のしつけ方が悪かったかな? ママ、今からそっちに行くから」
伝次郎は青酸カリを飲んで自分の人生に幕を下ろした。
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