性格悪いのに優しい
春乃が体調不良で学校を早退したと聞いた孝司は、春乃の様子を見に春乃の家に行った。
トントン
孝司は、春乃の家のドアを軽く叩いた。
カチャ
静かにドアが開いた。
「なんだ、孝司か…」
「湊君。春乃大丈夫…?」
「うん。ちょっと熱ある」
「そっか…」
「大丈夫だから、帰って勉強でもしてなさい」
「勉強しかすること無いんでしょ?みたいな言い方、しないでよ…」
孝司は少し、拗ねた。
「ハハッ。他にあるの?」
「……。あっ、今日料理当番だから、料理するし」
孝司は、勉強以外にやることがあってホッとした。
「へぇ。料理できるんだ」
「俺、絵理よりはうまいよ」
絵理は、孝司の9歳上の姉だ。
「…比較対象のレベルがちょっと低いから…、よくわかんない」
「絵理の料理食べた事あるの?」
「お菓子は食べた事ある」
「それでわかる?」
「わかる。性格でるよね」
「湊君、料理うまいよね?」
「うん」
「そういう人はどういう性格?」
「…真面目」
「嘘つけ」
「帰れ」
湊は玄関の、ドアを閉めようとした。
「すいません。あ、じゃ、これ春乃に…」
春乃が好きなジュースを渡した。
「メロンソーダ…。病人に飲ませるもんじゃないな」
「治ったら飲んでって言っておいて…」
「わかった。ありがと。じゃね」
「うん、お大事に」
湊は、最後は笑ってドアをしめた。
(湊君て、不思議な人だよなぁ。性格悪いのに優しいし…)
湊が自分の事を、真面目って言うのもある意味間違いではないと、孝司は思っている。
(佐和は、湊君のツンデレ的な所が好きなのかな…?あと、顔…?顔だな、女は結局)
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