湊君…、どうすんのコレ

佐和は学校帰りの駅で、孝司を見つけた。

湊への告白の報告をしたかったので、急いで孝司の方へ駆け寄った。


「孝司っ」

「おおっ。佐和。お疲れ」

「春乃は?まだ来てない?」

「うん。俺、ちょっと早く着いちゃったしね」

「そっか」

佐和はホッとした。


佐和は春乃に、自分の好きな人は春乃の兄の湊だということは言えなかった。

変に気を使わせたくないし、何よりそのせいで春乃との関係が悪くなるかもしれないと考えたら言えなかった。



「孝司、私、湊くんに告白できたよ」

「そっか…。諦められた?」

「え、ううん」

「え?…まさか、湊君、気まぐれで付き合うとか言ったわけじゃないよね…?」

「今の彼女の、次の彼女にしてもらう予定」

「ん?!」

孝司は思考回路が一瞬停止した。


「私、遊びでも、いいの」

「いや、良くないでしょ」

「湊くんもそう言ってたけど」

「でしょ?」

「湊くん、私の事、春乃みたいに可愛いって言ってくれたし」

「それは、妹みたいってことでしょ?」

「うん。だから、嫌いじゃないわけでしょ」「そうだけど」

「じゃ、遊び用の彼女になら入れてくれるんじゃない?」

「佐和さん?」

「告白してよかった」

佐和はニコッと笑った。

(湊君、どうすんのこれ…)

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