ネクタイをはずす手

「孝司、前に同じクラスの友達から、お祭りに誘われたって言ってたけど行くの?」

春乃と孝司は、春乃の部屋にいた。

「ん?行かないよ」

春乃は椅子に座り、孝司はベットで寝転がりながら漫画を読んでいる。

「そうなの?」

「そんな時間あるなら、春乃と会う時間増やした方がいいし」

孝司は表情を変えずに言う。

「そっか」

「…お祭り行きたい?」

「…うん」

「春乃」

「何?」

「ん」

孝司は、両手を広げて、自分の所に来るように促した。

春乃は立ち上がって、ベットに寝転んでいる孝司の胸に収まる。

「春乃となら一緒に行きたい」

「いいの?」

「うん」

孝司は春乃のおでこにキスをする。

「…春乃、今日湊くん、何時に帰ってくる?」

「え、さぁ。いつも通り7時くらいだと思うけど」

「ふ~ん」

孝司は春乃にキスをした。

「していい?」

「…したいの?」

「いつでもしたいよ」

孝司は笑った。

「…」

「嫌なら、いいよ?」

「…孝司、」

「何?」

「女子もしたいって思ってもいいのかな?」

春乃は恥ずかしそうに聞いた。

「俺はそのほうが嬉しいけど」

「そうなの?」

「うん」

「…。…私も、いつもしたい」

春乃は赤くなった顔を、手で隠した。

「もう、可愛いすぎる…」

孝司は、春乃に覆いかぶさるようにして、キスをした。

「好きだよ…」

「私も…」

「たぶん、俺の方が好き…」

孝司は、春乃の目を力強く見ながら、ネクタイを外した。

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