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結局、どれだけ飲んだって酒は真さんのことを忘れさせてはくれない。


そもそも、忘れられるはずなんてないんだ。




今も、この家には真さんとの思い出が沢山残っている。


真さんが、ここで生きていたという証が。




三年間、捨てられなかった。


きっと一生、捨てられないだろう。











「………」




付き合い始めてから、俺と真さんは同時に煙草を止めた。


出来るだけ長く、健康でいたいからと、初めに言い出したのは真さんだった。






あの日まで、禁煙を守り続けていたけど、今はもう、すっかり元通りだ。






最後の一本に火を点けた時、不意に、インターホンが鳴った。











「………?」




時刻は、もう0時を過ぎている。


こんな時間に訪ねて来る非常識な知り合いなんて、俺にはいない。




ただのイタズラだろうと最初は無視しようと思ったけど、何故か無性に気になって、少し警戒しながらドアを開けた。






「……え…?」




外には、誰もいなかった。


でも、何かの気配と、音が聞こえて、その音の方向を見れば、すぐにその正体がわかった。





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