【歪み】
毎日の幸せが当たり前にあった。
この幸せがずっと続くものだと…
幸せに慣れ過ぎてしまった。
そして、
” この人が将来を共にする人 ” だと
勝手に思い込んでた。
だから…
大事なものが見えなくなってた。
kちゃんの心の変化に気付なかった…
もしかしたら、
少しは何か気付いていたのかもしれない。
だから焦って見えないフリを
してたのかもしれない。
気付いてしまうのが怖かったから、
私はきっと逃げたんだ…また。
もっと私が感謝の気持ちを持ってたら…
もっと私の心が大人だったら…
もっと私がkちゃんの事を理解できてたら…
逃げずに気付いて受け止めれてたら…
今でも思う。
私の行動が少しでも違えば、
こんな結果にはならなかったのかな…
私は本当に子供で愚かだった…
周りの子が数名、
結婚し始めたからだったのか…
私は結婚を意識し始めた。
きっと、そのあたりから
私の行動や言動が変わってたのだろう。
どれだけ勝手に浮かれてたのだろう…
kちゃんの苦悩も気付けずに…
次第に歪みが生じ始めていた。
私が勝手に一緒に住もうと思ったのか、
家を探しに行った日があった。
どうにか私の地元に近いところがいいと、
kちゃんの意見もちゃんと聞かず動いてた。
その日のkちゃんは、
楽しそうな顔をしていなかった…。
温度差を感じていた。
それをちゃんと理解せず、
私は《焦り》として行動に出ていた。
自分の理想…
勝手な疑い…
いろんな私の焦りの感情を
きっとkちゃんにぶつけてた。
優しいkちゃんは、
それでも私の事は責めることはなかった。
そんな少しの違和感を持ちながら
日々を過ごしていた。
ある雨の日…
kちゃんの家だった。
何故そうなったのかは記憶がない。
初めてケンカになった。
私が一方的に怒っていたのは覚えてる。
夜の雨の中、
イラついて私は家を飛び出した。
きっと追いかけてきてくれる…
迎えにきてくれる…
タオルで拭きながら…
叱ってくれるはず…
完全にkちゃんの優しさを勝手に信じてた。
しばらくしても、kちゃんは来なかった。
どれくらい雨に打たれただろう。
全く来なかった。
怒って自分で出て行ったのに…。
雨に打たれて頭が冷えたのか。
少し冷静になった。
追いかけてくれない疑問と寂しさで
頭がいっぱいになり、
kちゃんの元へ自分で戻った。
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