【過去】

穏やかで幸せな日が続いていた。



そんなある日…



私の携帯電話に着信が。


画面に出てた名前を見て…


『え…?』


元彼だった。




私が高校1年の頃。


先輩に紹介して出会った、違う高校の定時制に通う1歳年上のRくん。


元ヤンキーで、まだ少し名残りがあった。


ヤンキーの雰囲気なんて苦手だけど、

照れ屋で不器用に優しくしてくれる

そんなギャップにやられて付き合った。



ちゃんと付き合った初めての彼氏だった。



最初は本当に優しくて、

私の知らない世界を教えてくれて…

単純な私は夢中になってた。



そして…

気付けば束縛が始まってた。



初めは、


” 私のこと気にしてくれてるんだ ”


と思い束縛が嬉しいと思う時期もあった。



だけど、その束縛はエスカレートしていった。



女友達とも遊ぶのも…

学校に行くことも…

電話に出るのが遅くなっただけでも…

ブチ切れるようになった。


高校生だった私は、反抗することもあった。


でも反抗すると、

暴力も振るわれるようになった。


最初は服で隠れるようなところを殴られた。

よく腕とかには青アザができてた。


だんだん顔も殴られるようになり、

腫れたり、鼻血が大量にでることも。



無理矢理、体も求められた。


私の気分や体調、時間や場所も関係なく

Rくんが気の済むまで…


泣きながらでも無理矢理抱かれた。



そんな暴力のあとは、

異常に優しくされた。



繰り返していくうちに、

心の感覚が麻痺して…

私はRくんを受け入れてしまうようになり、

お互いに《依存》し合うようになってた。


きっとあの時の私は

正気を失っていたと思う。



そんな激しい付き合いをして

2年半くらいの時。



Rくんがトラブルを起こし警察に捕まった。



家庭環境がすごく複雑だったRくん。


保護観察付きで出てきたけど、

九州の実母の元で暮らすことになり、

遠距離恋愛になった。



私は。だんだん前のように

女友達と遊ぶ日が増えていった。


そんな中でも、

遠距離からの束縛がまた始まった。



最初は言うことを聞いたりしていたけど…



あれだけ一緒に居たのに…

私も寂しかった。



” こうなったのはRくんのせいなのに…

 それなのにそこまで怒られる? ”


暴力がない分、少し強気になってた。


いつ会えるかも分からないのに、

そこまで縛られて

電話で怒鳴られる筋合いはない。



私は我慢の限界になり、

電話で大喧嘩になった。



そして…別れることになった。



約3年間の刺激的な付き合いは解消された。




その直後くらいに出会ったのが

kちゃんだった。



束縛も暴力も一切ない、

優しくて穏やか過ぎる日々の中。



突然の電話だった。


約2年ぶりの名前に驚いた。

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