【再会】

新たにアルバイトをしながら、

友達と遊んだりして

普通の日々を過ごしてた。


あの店の店長やバイトの子達とも

何回か連絡を取ったりもしてた。




そんなある日…



仲良かったあの店のバイトの人から

電話があった。



「kさん情報やねんけど、

 どうやら彼女と別れたらしいで!

 連絡してみたら?」



急な話でビックリした。

でもすぐ冷静になれた。


『いやいや…

 別れたんやろー?って連絡するの?

 そんなんできるわけないやん!』


「そりゃそうやな。

 まぁ、そのうち連絡してみー!」



それを聞いてから、ずっと悩んだ。


声も聞きたいし、会いたい。


でも1度は告白してしまってるし…


別れた理由も知らない上に、

kちゃんの状態も分からない。


別れたの知って連絡したら

軽蔑されて嫌われるんじゃないか…


いろんな事を考えて1ヶ月ほど経った。



そんな中、あの店の元アルバイトで

私の気持ちを全て知っている

お姉さんに相談してみた。


その結果、

連絡しよう!


そう決心がついた。




ドキドキしながら、メールした。


どんなメールをしたか、

内容は覚えていない。



返事が来て、やりとりしている中、

会う約束ができた。




久々に再会した。




緊張しすぎて…

あんまりあの時の記憶がない。


ただ、久々だったのに

思ったより普通に過ごしすぎて、

帰ってからお姉さんに

泣きながら電話したのを覚えてる。



『私は多分、

 妹のようにしか見られてない…

 やっぱりこれ以上は無理やわ…』



と勝手に落ち込んでた。




そこからどうやってか覚えてないけど、

また会える日があった。



その日はご飯に行って、

きっとその時に犬の話をしたんだろう。


今度、レンタカーをして

犬のテーマパークに行くことになった。

朝早く出るから、前日は

kちゃんの家に泊まることになった。



そんなとんでもない約束をした夜。



夜遅くなったから、

初めてkちゃん家に泊まること…。


約束をフライングした展開になった。



kちゃんは1人暮らし。

1人暮らしの男の人の家に泊まるのは

初めてだった。


すごく緊張した。



私にベッドを使わせてくれて、

kちゃんは床で寝ることに。



ドキドキと眠気で、頭がぐるぐるした。


その時、kちゃんが寝たまま手を伸ばし

私の手と繋いできた。


特に何も言わずに…


それ以上のことは何もせず、

ただ手だけ繋いで眠った。


すごく嬉しかった。



でも、疑問も出てきた。


どういうつもりなんだろう…


妹のように思われてると思い込んでた私は、

混乱し始めていた。



相手は自分に好意を持ってる。


男の人だし、

手を繋ぐ以上のことも出来る状態だった。


期待を持たせないなら、

泊めないだろうし…。

泊めてもそのまま寝るだろう。



なんで優しく手を繋いで寝てくれた?



妹のようにしか思ってもらえてないはず…


私なんかじゃ釣り合うわけがないって

分かってるのに。



大切にされてる気になってしまう…



会えるだけで…一緒に居れるだけで…


それだけで満足してたのに…



本気で好きになってしまってる自分が

怖くなった。



初めて出会ってから2年くらい経過した時。


私はそれ以上を望むようになってしまってた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る